弁護士視点で知財ニュース解説

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職務発明の帰属

経済産業省・特許庁は,平成26年5月29日,特許制度に関する専門委員会を開き,企業内の研究者や技術者による発明の帰属,いわゆる職務発明の帰属について,発明者本人ではなく,発明者が所属する企業にも認めることで一致したと発表しました。

職務発明については,従業員などが行った発明に対する相当対価の支払い関し,日亜化学事件を契機に様々な議論が行われました。

そして,現在では,職務発明は発明者に帰属することを前提に,事前に対象となる従業員等と協議して定めた規定に基づき,従業員等の意見を聞く機会や異議を申し立てる機会等を設け,相当の対価の決定,支払いにいたるめで,従業員等の関与が十分保障されている場合については,必ずしも特許発明によって得られた利益を基準に使用者,従業員等の貢献度,その他の事情を考慮して成果報酬として相当であることが必ずしも必要ではないという制度になっています。

今回の経済産業省・特許庁の案は,現在よりさらに進めて,職務発明については企業にも帰属させることを認める,企業が発明者に対する報酬を支払うことを制度的に保証するという内容になっています。

特許庁は,今年の7月までに特許法改正の具体案をまとめる予定になっています。

近時,職務発明の制度設計については,にわかに議論が巻き起こっているところですので,今後の動向に注意が必要です。

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