弁護士視点で知財ニュース解説

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アップル 知財高裁での訴訟取下げ

アップルがサムスン電子の特許権を侵害のないことの確認を求めて訴えを提起していた事件につき,アップルが平成26年8月6日,知財高裁に対して訴えの取下げを行いました。

この訴訟は,主に通信技術に関する特許権について,日米韓など10か国において50件以上の訴訟が提起されているものの一つです。

アップルとサムスン電子は,アメリカ時間8月6日にアメリカ以外の国で行われている訴訟の取下げの合意を行い,今回の知財高裁での訴訟取下げは,この両社による合意に基づくものです。

知財高裁におけるアップルとサムスン電子の訴訟は,FRAND宣言をしているサムスンの特許権につき,両社間でライセンス交渉を行っていたが合意に至らなかったことにより特許権行使することができるか否かが問題となった訴訟で,一審の東京地裁はサムスン電子の特許権行使を権利濫用として認めないと判断しました。

サムスン電子は,東京地裁の判断が不服であるとして知財高裁に控訴しており,知財高裁においてどのような判断が下されるか注目されていたところでした。

アップルとサムスン電子は,携帯電話では世界2位と1位のシェアーを有する企業ですが,中国企業の進出により,その地位が脅かされる状況にあり,多大な費用を投じて訴訟合戦を継続する余裕がなくなってきたことにより先の合意に至ったと言われています。

ただ,サムスン電子は,アメリカの訴訟においては約950億円の支払いを命じる判決を受けており,その訴訟は現在も継続中です。

アップルとサムスン電子の特許訴訟合戦は終息化に向かいつつあるものの,最終的な終結までには,今しばらく時間を要するようです。

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