弁護士視点で知財ニュース解説

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成長戦略を問う

日経新聞の連載記事「成長戦略を問う」において,日本の知財戦略に関する提唱が行われています。

紹介されているのは,熊本県のゆるキャラ「くまモン」。

ほんものの「くまモン」を一目見るために台湾,香港,ベトナムなどの観光客が熊本に滞在している例が紹介されています。

熊本県の外国人宿泊客は2013年に42万人を超え,4年前の2倍に増加しており,観光客増加の理由の一つとして「くまモン」の集客力が貢献しているようです。

地方発のキャラクターがアジアで有名になり,それが熊本県を訪れる外国人を増加させているということになれば,外国人観光客を確保し続けるために海外での「くまモン」の著作権保護が重要になってくる。

環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で最大の焦点になっている知的財産権の国際ルールの確立という問題は,日本政府だけの関心事ではなく,「くまモン」を育てた熊本県のような地方自治体にとっても重大関心事となっている。

2019年にはGDPが中国の半分程度になると予測されている日本が中国と対等な競争関係を築くためには,日本の技術や著作権などの知的財産がポイントになる。

日経新聞の記事では,このように締めくくられています。

最近では,中国も知的財産に対する意識が変わりつつあり,知的財産を尊重する傾向が顕著に現れています。

これは,中国に守るべき知的財産が増加しつつあり,他国の知的財産をフリーライドするという状況から,自国の知的財産を保護する段階に移りつつあることを意味しています。

今後は,単純に日本の方が優れた知的財産を多数保有していることを前提にした議論は通用しなくなると考えています。

日本は,単なる労働力の比較では,到底世界では戦えない状態にあります。

知的財産が保護されるという世界的なルールを確立することは当然のこととして,魅力のある知的財産の創造にも力点をおいた知財戦略が必要なのではないでしょうか。

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