弁護士視点で知財ニュース解説

ベネッセ顧客情報 転売業者書類送検

警視庁は,平成27年3月30日,ベネッセコーポレーションの受託業者の元システムエンジニアから,ベネッセの顧客情報を購入し,転売した不正競争防止法違反の容疑で,名簿業者「セフティー」と同社の社長を書類送検したと発表しました。

送検された容疑の内容は,セフティーが,平成26年5月21日,元SEからベネッセの顧客情報約900万件を購入し,同年7月1日,2日の2回にわたり,16,317件を熊本県内の教育関連会社に転売したというものです。

セフティーは,900万件の顧客情報の半数以上にあたる約474万件を,学習塾,呉服店,写真店など50社以上に転売し,総額約1600万円の対価を取得していたようです。

また,別の名簿業者を含めると,学習塾など全国の500社以上に顧客情報が流出していたとも発表されています。

なお,セフティーの社長は,容疑を否認しているようですが,取得した情報の件数が膨大であることを考えると,取得した情報が合法的に取得されてものであると推認していたという主張は大変苦しい主張なのではないかと考えています。

不正競争防止法では,営業秘密を不正に取得し,開示する行為だけでなく,不正に取得された情報であることを知った上で,あるいは重過失でこれを知らないで営業秘密を取得する行為や開示する行為,取得時には重過失が認められなかったとしても,取得後に不正取得されたことを知り,あるいは重過失でこれを知らないで使用する行為,開示する行為が不正競争行為と定められています。

そして,上記した不正競争行為のうち,故意の行為については刑事罰が課されることになっており,このような不正競争行為に関与した法人については3億円以下の罰金,個人については10年以下の懲役,1000万円以下の罰金,あるいはこれらが併科されることになります。

また,営業秘密の不正開示によって得た収益は犯罪による収益として没収の対象となりますので,不正競争行為に関与した法人には何らの利益も残らないばかりか,多額の罰金を科されることになり不利益にしかなりません。

法人に対する罰金刑の上限を10億円とする不正競争防止法改正案が閣議決定されており,今国会において改正案が成立する見込みになっています。

営業秘密に関する不正競争行為は,年々重罰化の傾向にあることから,セフティーや同社の社長に厳しい刑事罰が下される可能性があると思います。

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