平成26年の商標法改正で同27年4月から登録が認められた新しいタイプの商標に「音からなる商標」があります。
商標といえば,図や文字,色彩などで構成されたトレードマークを想像しますが,音であっても,繰り返し使用されることにより特定の者の出所を示すことがあります。
そもそも,商標法は,商品やサービスの出所を表示する機能を有するものを保護する法律であり,昨年の商標改正により新たに商標として登録が可能な対象が増えたわけです。
「音」の他に,色彩のみからなる商標,ホログラムの商標,動きのある商標,特定のデザイン等の位置を対象とするものが,商標として登録することができるものとして加えられ,平成27年4月から出願の受付が行われています。
7月17日時点の出願数は,色彩からのみなる商標が最も多く381件,次いで音の商標が269件,位置の商標が176件,動きのある商標が61件,ホログラムの商標が5件となっています。
そして,特許庁は,「特許情報プラットフォーム J-PlatPlat」という特許発明や意匠,商標などを公開しているサイトにおいて,出願されている「音からなる商標」の公開を始め話題になっています。
操作画面で商標出願・登録情報から音商標を選ぶと,現在の音商標リストが検索でき,出願番号をクリックすると出願人名,権利化へ向けた経過情報,詳細な説明,商標を使用する商品・役務分野などの書誌情報とともに,効果音の楽譜や,人の声が入る場合はそのせりふなどが画像で表示されます。
そして,実際の音は,商標番号照会画面に出願番号を入れ,書誌情報とともに表れる音声再生ボタンを押すと聴くことができます。
例えば,みなさんおなじみの,久光製薬(商願2015-029806),インテル(商願2015-029981),味の素(商願2015-029817)などのテーマソングを聴くことができます。また,ウルトラマンの声(商願2015-029853)やカラータイマーの音(商願2015-029816)などもあります。
特許庁の「特許情報プラットフォーム J-PlatPlat」は,誰でも無料で使用することができます。
出願人(会社名)を確認して,頭に浮かんでくる音楽が出願されているか否かを確認するだけでも楽しむことができます。
関心のある方は,是非,試みてください。