弁護士視点で知財ニュース解説

店舗BGM JASRAC調停一斉申立て

cont_img_41.jpg日本音楽著作権協会(JASRAC)は,平成27年6月9日,全国15都道府県の簡易裁判所に対して,JASRAC 管理楽曲をBGMとして使用している258の店舗などの経営者を相手に,楽曲使用料の支払いを求める民事調停の申立てを行ないました。

楽曲の著作権者は,楽曲を,公衆に直接聞かせることを目的として演奏する権利を独占的に支配しています。
そして,演奏は,生の演奏に限られず,録音されたものを再生すること,電気通信設備を用いて伝達することを含むとされています。

この結果,CDを購入,あるいは音楽をダウンロードしてハードディスクに保存したものを公衆に聞かせる行為,有線放送などを公衆に聞かせる行為は,楽曲の著作権者の承諾なく行うことは著作権法によって禁止されています。

有線放送の場合には有線放送事業者が楽曲使用料を含めた形で料金の徴収を行い,JASRACなどの楽曲管理会社に楽曲使用料を支払い,楽曲管理会社が著作権者に使用料を支払うという方法により,合法的な楽曲の使用が行われています。

他方,購入したCDやダウンロードした音楽については,購入者が私的に使用することが前提になっているため,これらを公衆に聞かせる目的で店舗で使用する行為は著作権者の演奏権を侵害することになります。

JASRACは,従前から,カラオケを提供する店舗に対しては,演奏権侵害を理由に楽曲の支払いを求めてきました。ところが,現在では,通信カラオケが主流となり有線放送と同様の方法で使用料の徴収を徹底することができるようになり,カラオケ店以外の店舗で,購入したCDやダウンロードした音楽をBGMとして使用している店舗を対象に楽曲使用料の徴収に力を注ぐようになりました。

もともと店舗でBGMを流す行為は,著作権法上,例外的に演奏権侵害にならないとされてきましたが,平成14年4月以降については,著作権法が改正され店舗のBGMも演奏権侵害にあたるということになりました。

BGMについて著作権法上の取扱いが変更されて既に10年以上経過している現在においても,店舗でBGMを流す行為が演奏権侵害に該当するということが周知されていないように思います。

JASRACは,徴収対象になる店舗が130万店舗あり,60%強が有線放送を利用することで,9%が個別に契約することで使用料を支払っているが,全体の35%に相当する約46万店舗が未だ承諾を得ずにJASRAC管理楽曲を使用していると推計しています。

今回のJASRACによる258の店舗を対象とした一斉の調停申立てには,店舗でBGMを流す行為が演奏権侵害に該当するということを周知し,JASRACによる使用料支払い請求があった場合には,店舗側が任意に支払いに応じるという効果を狙ったものであると思われます。

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