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社外取締役読本

監査等委員会設置会社における社外取締役の職務

社外取締役は,業務執行取締役でないことが前提になっていますので(法2条15号),社外取締役の職務は,取締役会の構成員としての活動となります。また,社外取締役が監査等委員会の委員である場合には,監査等委員会の委員としての活動も行うことになります。

取締役会の職務

取締役会は,①経営の基本方針,②監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令(規則112条1項)で定める事項,③内部統制システムの整備その他会社の業務執行の決定を行うとともに,④取締役の職務の執行の監督,⑤代表取締役の選定監査等委員である取締役以外の取締役の中から選任しなければなりません(法399条3項)。及び解職を行います(法399条の13第1項ないし3項)。

取締役会は,①重要な財産の処分及び譲受け,②多額の借財,③支配人その他の重要な使用人の選任及び解任,④支店その他の重要な組織の設置,変更及び廃止,⑤募集社債に関する重要事項(法676条1号,規則99条),⑥取締役等による免除に関する定款の定め(法426条)に基づく役員等の損害賠償責任(法423条1項)の免除,⑦その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができません(法399条の13第4項)。

ただし,取締役の過半数が社外取締役である場合,または,取締役決議によって重要な業務執行の決定の全部または一部を取締役に委任することができる旨の定款の定めがある場合,重要な財産の処分及び譲受け等の一定の事項を除き,重要な業務執行の決定を取締役に委任することができます(法399条の13第5項,6項監査等委員会設置会社にいては,三委員会設置のような意思決定の迅速性が確保されています。)。

また,監査役会設置会社と同様に,特別取締役による決議の制度を設けることもできます(法373条)。

なお,CGコードは,いずれの機関設計を採用する会社にもあてはまるため,監査役会設置会社において説明した内容は,監査等委員会設置会社にも当てはまります。

監査等委員会の職務

監査等委員会は,取締役の職務執行の監査に関する職務(法399条の2第3項1号,2号等)と,経営評価に関する一定の職務(同項3号)を担います。

取締役の職務執行の監査に関する職務は,三委員会設置会社監査委員会と同様です。

経営評価に関する職務には,①株主総会に提出する会計監査人の選任・解任と会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定,株主総会において,監査等委員である取締役の選任・解任・辞任についての意見の決定,②監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等についての意見の決定があります(法399条の2第3項)。
また,監査等委員会が選定する監査等委員は,株主総会において,その意見を述べることができます(法342条の2第4項,361条6項)

監査等委員会が選定する監査等委員は,取締役会を招集することができます(法399条の14)。

監査等委員は,いつでも,取締役及び支配人その他の使用人に対し,その職務の執行に関する事項の報告を求め,または会社の業務及び財産の状況を調査することができ(法405条1項),子会社に対して,事業の報告を求め,または子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができます(法399条の3第1項・2項)。

また,監査等委員は,取締役が会社の目的の範囲外の行為その他法令もしくは定款に違反する行為をし,またはこれらの行為をするおそれがある場合において,当該行為により会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは,当該取締役に対し,当該差行為の差止請求をすることができます(399条の6)。

監査等委員には,株主代表訴訟の提訴請求書(法847条1項)を受領する権限を有します(399条の7第5項1号)。
監査等委員は,提訴請求を受けたときは,速やかに他の監査等委員に通知するとともに,監査委員会を招集してその対応を十分に審議の上,提訴の当否について判断すること,その判断にあたっては,被提訴取締役のほか関係部署から状況の報告を求め,または,意見を徴するとともに,関係資料を収集し,外部専門家から意見を徴するなど,必要な調査を適時実施するべきです(監査基準52条参照会社が提訴判断を行うための外部の弁護士によって構成された第三者委員会を設置することも検討するべきです。)。

提訴請求の日から60日以内に提訴しない場合に,株主から請求があったときは,当該株主に対して不提訴理由を書面で通知しなければなりません(法847条4項)。

また,監査等委員は,会社が取締役に対し,または取締役が会社に対して訴えを提起する場合等,取締役と会社との間で利益相反が起こりうる一定の場合には,会社を代表し(法399条の7),株主代表訴訟において会社が役員側に補助参加する際,監査等委員全員の同意が必要になります(法849条3項)。

なお,同意を与えるか否かについても,監査等委員会によって審議し,その判断にあたって被提訴役員や関係部署から報告や意見を求め,必要に応じて外部専門家からの助言を得ておくべきです(監査基準53条参照)。

会社が株主代表訴訟に補助参加しなかった場合に和解を行う際,裁判所から会社に対して,和解の内容の通知と異議催告が行われますが(法850条1項,2項),これを受領するのは監査等委員になります(399条の7第5項2号)。

2週間以内に異議を述べなかったときは和解を承諾したものとみなされますので(法850条3項),監査等委員会を速やかに招集して慎重に審議し,その判断にあたって被提訴役員や関係部署から報告や意見を求め,必要に応じて外部専門家からの助言を得ておくべきです(監査基準54条参照)。

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