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社外取締役読本

各社に応じた制度設計の必要性

取締役会の監督機能の中核は,業務執行者の業績を「指名」と「報酬」を通じて事後的に評価することです。

そして,取締役会が行う監督の中核的機能を徹底したものが三委員会設置会社であり,取締役会が行う中核的機能が間接的かつ限定的ではあるものの強化されているのが監査委員等設置会社です。

他方,監査役会設置会社においては,取締役会が行う中核的機能が,事実上代表取締役に支配されています。

監査役会設置会社,監査等委員会設置会社,三委員会設置会社のいずれにおいても法定機関しか設けることができないわけではありません。
ですから,監査役会設置会社や監査等委員会設置会社において,取締役会に任意の委員会を設け,当該委員会に一定の権限を与えた上で,当該委員会の独立性を確保しておくことによって,取締役会の中核的機能の強化を図ることができます。

そして,監査役会設置会社,監査等委員会設置会社において,任意の委員会を設けることによって取締役会の監督機能を高めるべきは,「指名」と「報酬」であると思います。

この点,CGコードにおいても,上場会社は,会社法が定める会社の機関設計のうち会社の特性に応じて最も適切な形態を採用するに当たり,必要に応じて任意の仕組みを活用することにより,統治機能の更なる充実を図るべきであるとされ(原則4-10),上場会社が監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であって,独立社外取締役が取締役の過半数に達していない場合には,経営陣幹部・取締役の指名・報酬などに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するため,取締役会の下に独立社外取締役を主要な構成員とする任意の指名委員会・報酬委員会など,独立した諮問委員会を設置することにより,指名・報酬などの特に重要な事項に関する検討に当たり独立社外取締役の適切な関与・助言を得るべきであるとされています(補充原則4-10①)。

指名」と「報酬」は,日本の上場企業にとって聖域と呼ばれる分野で,外部の者がこれに関与することに対して極めて強い抵抗感があり,これが,日本において三委員会設置会社が普及していない理由であると思います。

監査役会設置会社は,経営陣の中核を担う者の個人的な能力や属性に極めて強く依存した機関設計であり,現在の経営陣を前提とする限り問題がないとしても,次の経営陣,あるいは次の次の経営陣において,現在と同様に有効な機関設計として機能するという保障がありません。

経営陣の中核を担う者の個人的な能力や属性に強く依存した機関設計は,それぞれの会社が,持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る上で阻害要因となる可能性があることを認識しなければなりません。

経営理念や経営戦略等を踏まえた経営陣の中核を担う者の後継計画を確実に実践することも必要なことですが,併せて,経営陣の中核を担う者の能力や属性への依存度が低い機関設計を検討しておく必要もあるのではないでしょうか。

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