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民泊 大阪府 初の条例制定

st307.jpgマンションなどの空室をホテル代わりに貸す「民泊」を認める条例が全国に先駆けて大阪府で制定されました。

日本には旅館業法という法律が存在し,都道府県知事から営業許可なく,料金をとって宿泊させる施設を提供することは違法となります。
なお,営業許可を取る必要があるか否かの基準としては,以下のようなものが設けられていますが,その線引きは非常に曖昧でした。

  • 利用者と一か月未満の利用契約を締結している。
  • 利用者が生活の本拠としていない。
  • シーツ・寝具の交換,部屋の清掃などの衛生上の維持管理をオーナーサイドで行っている。

そして,ウィークリーマンションやマンスリーマンションという名称で,事実上,外国人観光客のニーズに対応しているところもありますが,旅館業法との関係で問題が指摘されているところです。

他方,旅館業の営業許可を得るためには,旅館業法が定める床面積,暖房施設,消防施設,耐震性などの基準をクリアーする必要があり,もともと宿泊施設として利用することを想定していないマンションや民家を宿泊施設として利用するのは困難な状況にありました。

大阪や東京ではホテルの客室稼働率が80?90%にまで上昇しています。客室稼働率が8割以上ということは,ホテルが連日にわたり満室で予約をとることができないことを意味しています。
他方で,外国人観光客が増加の一途をたどり,平成26年には1,341万人でしたが,平成27年には2,000万人に達する勢いです。そして,政府は,平成42年には3,000万人の外国人観光客を呼び込むという政策を打ち出しており,外国人観光客を対象とした宿泊施設の確保が急務となっていました。

今回の大阪府の条例をこのような背景を受けて制定されたものです。
国家戦略特別区域法では,大阪府全域だけでなく,東京都全域,神奈川県全域,千葉県成田市,兵庫県全域,京都府全域,沖縄県,新潟市,福岡市においても民泊を認める区域と定められています。既に,東京都大田区では民泊条例制定に向けて動いており,他の区域においても準備が進められていることと思います。
また,政府は,平成27年11月,観光庁や厚生労働省などによる検討会を発足させ,民泊の制度設計に向けた検討に着手し,平成29年に全国で解禁する方向で調整を進めています。

民泊として認めてもらうためには,

  • 居室の床面積は,25平方メートル以上であること
  • 出入口及び窓は,鍵をかけることができること
  • 出入口及び窓を除き,居室と他の居室,廊下等との境は,壁造りであること
  • 適当な換気,採光,照明,防湿,排水,暖房及び冷房の設備を有すること
  • 台所,浴室,便所及び洗面設備を有すること
  • 寝具,テーブル,椅子,収納家具,調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具を有すること
  • 施設の使用の開始時に清潔な居室を提供すること
  • 施設の使用方法に関する外国語を用いた案内,緊急時における外国語を用いた情報提供その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供すること

さらに,大阪府の場合には,空室を7日以上利用することが前提とされており,滞在者の名簿作成や旅券確認が義務化されています。

民泊を開業するためには,都道府県知事に対する申請を事前に行う必要があり,許可を得る必要があります。なお,受付けは,平成28年4月に開始されます。
また,府の職員が施設内に立ち入り調査することができ,問題があれば認定を取り消すことができます。

民泊は,宿泊施設の確保だけでなく,全国で問題となっている空き家対策としても注目されています。

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