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具体的な手法(合併)

合併

gappei.gif合併手続は、合併契約の締結に始まり、効力発生日後6か月間の事後開示で終わる一連の行為からなる複雑な手続です。 合併手続には、多数の利害関係者が関与し、各手続の瑕疵は合併無効の原因となるため、合併手続の実行に当たっては細心の注意が必要になります。

合併契約の締結

合併に当たっては、当時会社は合併契約を締結しなければなりません(会社法748条)。 合併契約の締結は重要な業務執行に当たるのが通常ですので、取締役会設置会社においては取締役会決議が必要であり(会社法2条7号、362条2項)、取締役会設置会社以外の会社においては取締役の過半数による決定(会社法348条2項)が必要です。 各当事会社においては、取締役会決議を経て、代表取締役が合併契約を締結します。 ただし、委員会設置会社が簡易合併や略式組織再編を実施する場合は、取締役会決議により、合併契約の内容の決定について執行役に委任することができます(416条4項16号かっこ書)。

事前開示

合併は当事会社の株主及び債権者に重大な影響を与えることから、株主及び債権者の判断に資するため、所定の書類を事前に開示することが要求されています。

吸収合併の場合、消滅会社は吸収合併契約備置開始日から、合併の効力発生日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載した書面又は電磁的記録を本店に備え置くことが求められています(会社法782条1項1号、会社規則182条)。

新設合併の場合も、消滅会社は新設合併契約備置開始日から、新設合併設立会社の成立の日までの間、新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載した書面又は電磁的記録を本店に備え置くことが求められています(会社法803条1項1号、会社規則204条)。

吸収合併における存続会社の場合も、吸収合併契約備置開始日から、効力発生日後6か月を経過する日までの間、同様の開示が求められますが(会社法794条、会社規則191条)、新設合併における設立会社については、事後開示のみで足ります。

合併契約の承認決議

吸収合併においては、消滅会社及び存続会社は効力発生日の前日までに、株主総会で吸収合併契約の承認を得る必要があります(会社法783条1項、795条1項)。 新設合併においては,消滅会社は株主総会の決議によって新設合併契約の承認を得る必要があります(会社法804条1項)。 新設会社については、新設会社が成立することが効力発生の前提となりますので,新設会社の「成立の日」すなわち設立登記の日をもって消滅会社の権利義務を承継することになります(会社法49条、754条1項)。 なお、株主総会の決議は、原則として特別決議が要求されています(会社法309条2項12号)。ただし、後述のように簡易合併・略式合併の場合には例外が認められています。

株主の株式買取請求

合併契約が承認されれば、反対株主は合併を阻止することはできませんが、反対株主は会社に対して公正な価格で、自己の有する株式の買取を請求することができます(会社法785条1項、797条1項、806条1項)。

新株予約権者の新株予約権買取請求

株主の株式買取請求と同様に、消滅会社の新株予約権の新株予約権者は、消滅会社に対して、自己の有する新株予約権を公正な価格で買取ることを請求することができます(会社法787条1項、808条1項)。

債権者保護手続

会社債権者は、債務者である合併当事会社が財政状態の悪い会社と合併すると不利益を受けるおそれがあります。 そこで、合併当事会社は、合併をする旨

  • 存続会社又は消滅会社の商号及び住所
  • 消滅会社及び存続会社の計算書類に関する事項
  • 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨

を官報で公告し、かつ、知れている債権者には、各別に催告をしなければなりません(会社法789条1項1号・2項、799条1項1号・2項、810条1項1号・2項)。

債権者が異議を述べた場合には、支払をしなければなりません(会社法789条5項、799条5項、810条5項)。

株券提出手続及び新株予約権証券提出手続

消滅会社が株券発行会社(会社法117条6項)であって現実に株券を発行している場合には、合併の効力発生日までに株券を提出しなければならない旨を、効力発生日の1か月前までに公告し、かつ当該株式の株主及びその登録株式質権者には、個別に通知しなければなりません(会社法219条1項6号)。 この場合、株券は効力発生日に無効になります(会社法219条3項)。 消滅会社が新株予約権証券を発行している場合も、合併の効力発生日までに新株予約権証券を提出しなければならない旨を、効力発生日の1か月前までに公告し、かつ、当該新株予約権者及びその登録新株予約権質権者には、個別に催告しなければなりません(会社法293条1項3号)。

事後開示

吸収合併の場合、存続会社は承継した消滅会社の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載した書面又は電磁的記録を、効力発生後遅滞なく作成するとともに,効力発生日から6か月間、本店に備え置くことが求められています(会社法801条1項・3項1号、会社規則200条)。 新設合併の場合、新設会社は承継した消滅会社の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載した書面又は電磁的記録を、その成立の日後遅滞なく作成するとともに、新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載した書面又は電磁的記録とあわせて、その成立の日から6か月間、本店に備え置くことが求められています(会社法815条1項・3項1号、会社規則211条・213条)。

合併登記

吸収合併及び新設合併のいずれの場合でも、合併当事会社の本店所在地において、合併登記が必要になります(会社法921条、922条)。

公正取引委員会等への報告

合併には、独占禁止法による公正取引委員会への届出や、金融商品取引法による財務局長への届出が必要な場合があります。 また、上場会社が合併決議を行った場合は金融商品取引所への届出も必要になります。 さらに、公益的要請の強い事業を営む会社については、事業法(銀行法第30条、保険業法第167条、鉄道事業法第26条等)に従い、監督官庁(主務大臣)が許認可を通じて合併を規制していることに注意する必要があります。

簡易合併

kani_gappei.gif合併であっても、存続会社に比べて消滅会社の規模が小さい等、存続会社の株主に及ぼす影響が軽微なものもあります。 そこで、株式会社を存続会社とする吸収合併であって、以下の場合には、存続会社について、合併承認の株主総会決議なしに合併を行うことが認められています(会社法796条3項、会社規則196条)。

  • 合併に際し交付する存続会社の株式の数に存続会社の1株当たり純資産額を乗じて得た額
  • 合併に際し交付する存続会社の社債その他の財産の帳簿価額の合計額が存続会社の純資産額の5分の1を超えない場合

ただし、上の要件が満たされるときでも、存続会社に合併差損が生じる場合(会社法795条2項1号・2号)、または、存続会社が全株式譲渡制限会社であって株式を交付する場合には、簡易合併の手続を取ることはできず、株主総会決議が要求されます(会社法796条3項ただし書)。 また、そうした場合でなくても、存続会社が簡易合併の手続を選択するか否かは自由であり、強制されるものではありません。

略式合併

ryakushiki_gappei.gif吸収合併の当事会社の一方が、他方当事会社(従属会社)の総株主の議決権の10分の9以上を有するときは(特別支配会社,会社法468条1項)、手続の簡素化の観点から、従属会社が消滅会社になる場合でも(会社法784条1項)、存続会社になる場合でも(会社法796条1項)、従属会社における合併承認の株主総会決議は要求されません。

右の要件が満たされるときでも、以下の場合には、略式合併の手続をとることはできず、株主総会決議が要求されます(会社法796条1項ただし書)。

  • 消滅会社である従属会社が公開会社であって、その株主に対し譲渡制限株式等(会社法783条3項,会社規則186条)が交付される場合(会社法784条ただし書)
  • 存続会社である従属会社が全株式譲渡制限会社であって、株式の交付を行う場合

略式合併により株主総会決議が不要となる場合には、不満な株主には株式買取請求が認められています(会社法785条,786条)。 また、合併の差止請求を認める制度が新たに導入され、消滅会社の株主は、法令もしくは定款違反の場合または対価が著しく不当な場合には、合併の差止を請求することが認められます(会社法784条2項)。 他に、無効の訴えや、損害賠償請求等も可能です。

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