弁護士視点で知財ニュース解説
- 「デーモン風高杉」の問題 芸能人の肖像
NHKアニメ「ねこねこ日本史」(Eテレ)の登場人物「デーモン風高杉」が問題となっています。 既に,番組ホームページから「デーモン風高杉」の絵が削除され,テレビ局側としては沈静化を図ろうとしているようですが,そもそも,事の発端は,デーモン閣下が,ブログ上で,名前を含めて,明らかに自 - IoT時代の標準必須特許ライセンス(3)
標準必須特許のライセンス交渉において,特許権者と実施者との交渉が決裂すると訴訟になります。 しかし,交渉段階で,特許権者側が不誠実であると評価されると特許権侵害による差止請求が認められなくなる方向に働き,実施者側が不誠実であると評価されると特許権侵害による差止請求が認められる方向 - IoT時代の標準必須特許ライセンス(2)
「標準必須特許のライセンス交渉に関する手引き(案)」は,Huawei対ZTEに関して欧州連合司法裁判所が示した解釈を基礎に論点整理が行われています。 欧州連合司法裁判所は,FRAND宣言を行って標準化機関に標準必須認定された特許の権利者による訴えの提起が市場支配的地位の濫用にあた - IoT時代の標準必須特許ライセンス(1)
特許庁は,平成30年3月9日,「標準必須特許のライセンス交渉に関する手引き(案)」を公表しました。 標準必須特許とは,標準規格に不可欠な技術でありながら,特定の企業が当該技術について特許権を有しているものです。 あらゆるモノがインターネットに接続されるようになるIoT時代において - IoT時代の商品デザイン(3)
現在の法律と価値創出サイクルとの関係をみると,総指揮者として価値創出サイクルを創出するデザイナー(ビジネスアーキテクチャーでありUXデザイナー。以下では,便宜上「UXデザイナー」と呼びます。)の知的創作の成果をカバーしている法律がありません。 「情報の収取→情報の蓄積→情報の解析 - IoT時代の商品デザイン(2)
価値創出サイクルを対象としたデザインは,モノの形態を提供するというものからユーザーの行動をかたちづくるものへ変化します。 そして,情報が氾濫し,ユーザー自身で選択することが困難な状況で,デザインは,ユーザーの活動をシンプルなものにすること,ユーザーに多くの選択肢を提供することが志 - IoT時代の商品デザイン(1)
あらゆるモノがインターネットに接続される(IoT:Internet of Things)ことで,デバイスを使用する過程で様々な情報を収集することが可能となり,これまでは取得できなかった情報が取得することができるようになりました。 そして,多くのデバイスを介して収取された膨大な情報 - 不正競争防止法の改正がビッグデータ流通に寄与するのか
不正競争防止法の改正が閣議決定され,国会での審議を経て法改正が行われる予定になっていますが,改正されますと,「限定提供データ」という新たな定義が設けられ,「営業秘密」と同種の保護が与えられることになります。 このような不正競争防止法の改正の背景には,「データ・オーナーシップ」の考 - ビッグデータとデータベースの違い
データベースは,作成段階から予め定められた目的でデータを収集・蓄積することから,予め定められた目的の範囲を超えて使用することはできないのに対し,ビッグデータは,膨大な情報を収集・蓄積した上で分析し,何らかの有意性を見出し,何らかの提案を行ってくれるという点で,技術的に全く異なるも