組合
組合の業務の決定・執行
組合の業務の決定・執行に関して基本的な規律が設けられました(670条)。
- 組合の業務の決定・執行は,組合契約の定めるところにより,組合員又は第三者に委任することができます(2項)
- 業務執行者を置かない場合には,組合の業務は,組合員の過半数をもって決定し,各組合員が執行することになります(3項)
業務執行者を置いた場合には,組合の業務は,業務執行者が決定し,執行します(3項前段)
業務執行者が複数ある場合には,組合の業務は,業務執行者の過半数をもって決定し,各業務執行者が執行することになります(3項後段)。業務執行者を置いた場合であっても,組合の業務について,総組合員の同意によって決定し,又は総組合員が執行することはできます(4項)
- 組合の常務は,各組合員又は各業務執行者が単独で決定し,執行することができます(5項本文)が,完了前に他の組合員又は業務執行者が異議を述べたときは,単独で決定・執行することはできません(5項但書)。
対外関係
組合には法人格がありませんので,組合員あるいは業務執行者による法律行為の効果を組合員に帰属させることの整理が行われました(670条の2)。
- 業務執行者を置かない場合には,各組合員は,組合員の過半数の同意を得たときは,他の組合員を代理することができます(1項)。
- 業務執行者を置いた場合には,業務執行者のみが組合員を代理することができます(2項前段)。
業務執行者が複数ある場合には,各業務執行者は,業務執行者の過半数の同意を得たときに限り,組合員を代理することができます(2項後段)。 - 各組合員又は各業務執行者は,組合の常務を行うとき,単独で組合員を代理することができます(3項)。
債権者による権利行使
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組合の債権者
組合の債権者は,組合員の共有する組合財産に対して権利を行使することができます(675条1項)。
組合の債権者は,組合員の個人財産に対して,均等割合と損失分担割合のいずれかを選択して各組合員に対して権利を行使することができ,債権発生時に損失分担割合を知っていたときは,損失分担割合によって権利を行使することになります(675条2項)。 -
組合員の債権者
組合員の債権者は,組合財産に対して権利を行使することができことが明文化されました(677条)。
脱退した組合員の責任
脱退した組合員は,脱退前に生じた組合の債務につき責任を負うことが明文化されました(680条の2第1項前段)。
組合との権利関係については以下のとおり整理されました。
- 脱退した組合員は,組合の債権者が全部の弁済を受けない間は,組合に対して担保を提供することや自己の免責を得させることを請求することができます(680条の2第1項後段)。
- 脱退した組合員は,組合の債務を弁済したときは,組合に対して求償権を有することになります(680条の2第2項)
なお,これにより脱退した組合員は,組合の債権者となり,組合財産,組合員個人の財産に対して求償することができます(675条)。