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立退要求

賃貸経営をされている方にとって、借家人や借地人が賃料を支払わない、放置できない迷惑行為が継続している等の理由により、借家や借地からの立退きを求めざるを得ない場合があります。

立退きを求める場合には、賃貸経営をされている方と借家人あるいは借地人との間で締結されている賃貸借契約を終了させる必要があります。

当事者の合意で締結した賃貸借契約は、一方的に解除することはできません。

賃借人の事情による契約の解除

st184.jpg賃貸借契約を解除するする方法としては、賃貸人と賃借人の合意により賃貸借契約を解除する方法があります。しかし、賃借人が賃貸借契約の解除に応じてくれない場合には、賃料不払いや貸部屋等の棄損、無断増改築、無断転貸等、賃借人として守るべき義務を守っていない場合等の事情がなければ解除することができません。

なお、一度や二度賃料の支払いが遅れたという場合や、貸部屋等を少し汚した、使い方が気に入らない程度では解除することはできません。
土地や建物を借りて住居や店舗として使用している場合には、生活の基盤に関わる問題ですので法律では簡単に賃貸借契約を解除できないようになっています。
生活を過去の賃料支払状況や貸部屋等の損傷状況などを前提に、継続的に賃貸借契約を継続することが困難であると認められた場合に、はじめて契約の解除が認められます。

金銭的解決

法律上賃貸借契約が解除できない場合には立退を求めることができなくなるのでしょうか?

実務的には、賃貸借契約を解除できない場合にも金銭的解決を図ることにより立退要求を実現できる場合があります。では、どの程度の金銭を支払えば解決できるのでしょうか。

金額については一概に「いくら」と説明することはできません。店舗の場合と住居の場合とでも異なりますし、立退きを求めるにあたっての賃借人の落ち度の有無、賃借人の固執の程度などによっても金額は異なってくることがあります。

ひとつの目安としては、
店舗の場合には、引越期間の営業補償、移転費用、新たな店舗の内装費用、宣伝広告費用等をベースにして考えることが一般的です。
住居の場合には、引越費用、新たな住居を借りるにあたって保証金、仲介手数料、初月の賃料等をベースにして考えることが一般的です。

金銭的解決を前提にした交渉を行う、契約の更新期間が近づいている場合には比較的交渉を行いやすい傾向があります。
但し、借地借家法、借地法、借家法の適用がある賃貸借契約では、期間満了により当然に賃貸借契約が終了することはありませんので、賃借人の心理的要因が原因して、期間中の契約解除解除による立退きの手順は次のとおりです。

契約解除による立退きの手順

1.物件確認
あなたのお話しや写真等を見せて頂き、対象となる土地や建物の状況について確認をします。なお、必要な場合には、お話をお伺いしたうえで、私たちが直接物件の確認を行う場合もあります。
物件確認を行うことにより、賃貸借契約の解除理由が存在しないかを確認するのですが、物件確認を行った結果、あなたですら把握していなかった賃借人による契約違反の事実を確認することができる場合があります。
物件確認は、賃貸借契約を解除する上で非常に重要な手続になりますので、おろそかにしないことが重要です。
合鍵をもっているという理由で、物件内に無断で立入って物件確認をされる方がおられますが、これは行ってはいけません。物件はあなたの所有物であったとしても、賃借人に貸している以上は、住居侵入や建造物侵入という犯罪行為になってしまいますし、交渉時に無断立入りを理由に法外な金銭を要求される、交渉が長引く原因になります。たとえ、あなたの物件であったとしても、無断立入りだけは絶対にやめてください。

2.交渉・解除の催告
物件確認により判明した賃借人の契約違反状況によって異なりますが、解除通知を行い、裁判を行うことなく、交渉により立退きを実現することができる場合があります。なお、賃借人による契約違反状況が軽度のものであれば、裁判をすることは得策とはいえませんので、金銭的解決をベースとした交渉が必要になる場合があります。
他方、賃借人の契約違反状況が重度の場合で、交渉が困難あるいは多額の明渡料を求めてくる場合には交渉を継続したとしても解決の見込みがありませんので交渉を長引かせることなく、弁護士名で契約解除の催告を行い、速やかに訴訟手続により立退きを求めることが得策です。
訴訟を起こしたからといって必ずしも判決によって立退きを求めていくことを意味していません。他の訴訟でも同様ですが、ある程度裁判手続を進めていきますと、裁判官もどちらの主張が合理的か判断できるようになります。そして、裁判官は、自分の考えを前提とした和解を勧めてきます。
立退要求の場合にも、裁判官が賃貸借契約の解除が認められると判断すれば、立退きを前提とした和解を勧めてきますので、賃借人の出方をみながら和解により解決する方法を模索することより早期解決に繋がります。

3.占有移転禁止の仮処分
立退要求を妨害するために、裁判継続中に賃借人が知らない人物に物件を占有させるということがあります。なお、裁判は賃借人を相手に行っていますので、現に占有している人物には効力が及びませんので、改めてこの人物を相手に訴訟を提起しなければならなくなります。
また、既に知らない人物が占有している場合には、さらに他の人物に占有を移される可能性が高いと言えます。
これらの場合には、何度も裁判を行うことを回避するために、事前に占有移転禁止の仮処分という決定を得ておくという方法があります。
賃借人が他の人物に占有を移転する可能性がある場合、既に他の人物が占有している場合には、裁判所の仮の決定を得たうえで訴訟を起こすことを考えなければなりません。
なお、このとき、賃借人の了承なく、合鍵等を用いて物件内に侵入したり、また、賃借人の所有物を勝手に処分したりするのは、後にトラブルの元になる可能性がありますので、行うべきではないでしょう。この時点で話合いがまとまらない場合には、法的手段を行使することになります。

4.強制執行による立退き
訴訟で和解によって立退きを実現できない場合には、判決に基づいて強制執行の手続により立退きを実現しなければなりません。
強制執行により立退きを実現する場合は、みなさんが想像される以上に時間を要することがあり、面倒な問題が発生することがあります。
まず、判決が確定するのをまって強制執行を行ってくれる裁判所に対して強制執行の申立てを行ないます。
次に、執行官と予定を調整して退去を求める建物や土地に向かうのですが、一度目は警告を行うのみで実際に執行を行うことがありません。
そして、通常1カ月程度の後に執行官と再度訪問して、二度目の訪問でも退去していない場合には強制的に退去することになります。
多くの場合、二度目の訪問を行うと、賃借人は自主的に退去していることが多いのですが、多くの事例で賃借人は、必要なものだけをもって出て、いらないものは放置しています。
この放置物が非常に厄介で、放置物は賃借人の所有物であるため勝手に処分することができません。
そこで、残置物がある場合には、未払賃料(明渡しの判決とともに、未払賃料の支払いを求める判決を一緒にとっておきます。)に基づき残置物を競売にかけ、あなたが残置物を競落して、自らの所有物とした後に、自らの費用で処分するという手続が必要になります。
裁判で判決を得るまでに相当の時間が経過しており、判決が確定し動産の競売まで行って立退きを実現するまでに、さらに数か月を要することもあります。
この間、あなたは、他人に賃貸することもできず、賃料収入を得ることができないということになります。
なお、賃借人は、立退きの裁判が行われ、裁判に勝つことができないと判断すると賃料を支払ってくることはありません。
また、法律では、賃借人が立退くまで賃料の支払いを求めることになっていますが、賃借人がどこにいるのか分からない、居所は把握していても資力がないため回収することができないというのが一般的です。
交渉により立退きを実現することができず、やむなく訴訟を提起した場合であっても、可能な限り和解により立退きの実現を求めていく、未払賃料の支払いを免除してでも、和解により残置物を残すことなく立退きすることを実現していく理由は、ここにあるのです。

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