社外取締役読本

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社外取締役のための内部統制システム

取締役会に求められる、コンプライアンス体制・リスク管理体制・情報管理体制・効率的な業務執行を実現する体制・子会社の管理に関する体制・監査役を支援する体制取締役は,他の取締役の職務執行を監督する責任を負っていることから,会社の業務一般に対して監督する責任を負っていることになります。
しかし,取締役が会社の業務一般を監督することは事実上不可能ですから,取締役の監督責任は,会社の業務執行が適正に行われることを確保するための体制,当該体制に基づいて業務が行われているかに向けられると考えられています。

そして,会社法では,取締役会において,「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令(会社法施行規則)で定める体制」につき決議することが求められています。

会社法においては,最も重要な「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」が定められ,規則において,法令及び定款に適合することを前提とした取締役の職務の執行の適正さ等を確保するための体制が定められています。

ただし,規則の内容は,極めて抽象的であり,会社の業務執行が適正に行われるために必要な事項が具体的かつ網羅的に定められているわけではありません。
また,多くの会社において直面するであろう危機を整理して,それを示し,当該危機を管理するために必要となる体制が具体的かつ体系的に定められているわけでもありません。

ですから,取締役会において,規則に定められた内容に基づいて,規則の文言どおりの決議をしておけば良いというものではありません。

そもそも,内部統制システムを構築する前提として,それぞれの会社の経営理念が確立されていなければなりません。

そして,会社の経営理念を確実に実行するためのコンプライアンス体制,リスク管理体制,情報管理体制,効率的な業務執行を実現する体制,子会社の管理に関する体制,監査役を支援する体制等のフレームを構築し,それぞれの体制の構成を具体的に構築していくことになります。

内部統制システムを構築するにあたり,会社法や規則に定められた事項をもれなく満たしている必要はあります。
しかし,会社法や規則に定められた事項が満たされていれば,それでよいというものでもありません。
また,それぞれの会社の経営理念を実現する上で必要な体制を一度構築すると,それでよいというものでもなく,運用を行う中で改善を繰り返さなければなりません。

すなわち,内部体制システムの構築には最終形というものがないということを押さえておく必要があるわけです。

ここでは,裁判例において認められている取締役の善管注意義務の範囲を整理するとともに,会社法及び規則に定められている取締役による職務執行の適正を確保するための体制について整理し,法律上,最低限定めておかなければならない事項を理解してもらうべく,その内容をまとめました。

是非,参考にしてください。

冨宅 恵

内部統制システム 一覧

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