多額の負債を抱えられた方が亡くなられ相続放棄を行う予定であるが、葬儀費用などを捻出するために本人の預金を引き出すということが行われることがあります。
また、亡くなられた方の自動車を処分しても逆に費用が発生するという理由で、登録名義を変更して使用されていた方がおられたこともありました。
「預金を引き出す」「自動車の名義を変更」するなど、亡くなられた方の財産を引継ぐ行為、亡くなられた方の相続を認めるということになりますので、相続放棄の手続を行ったとしても、後日の訴訟手続で相続放棄の法的効力が認められないということになりますので注意が必要です。
相続放棄をするという理由で、一切の財産に手をつけないと関係者に迷惑をかけることになるということで積極的に処理をされる方もおられるのですが、それが「あだ」となって相続放棄の効力が認められなければ何もなりませんので、相続放棄を行われる場合には、亡くなられた方の財産の整理も含めて行わないという姿勢が重要になります。