収益物件管理
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賃料値下げ要求問題

賃借人は、賃貸借契約に定められた賃料を支払う必要があり、賃料が周辺の相場より高いという理由で一方的に賃料を値下げすることはできません。

基本的に賃料は、合意により何時でも変更することが可能ですが、合意が成立しない場合には,法律に定められた手続きを経る必要があります。
賃料の減額を求める(増額を求める場合にも同様です。)場合は、まず、調停を申し立てて話し合いをする必要があります。
調停では、弁護士や不動産鑑定士などが調停委員となり、周辺の相場との比較からどの程度の賃料が適切であるかをある程度判断し、話し合いが纏まるように調整を行います。

しかし、調停で話し合いがまとまらない場合には、訴訟を行うことになります。
訴訟では、賃料の減額を求める側は不動産鑑定士に依頼して適正賃料を示し、賃料減額の要求が合理的であることを主張してきます。
あなたは、これに対し、同様に不動産鑑定士に依頼して適正賃料を示して、賃料減額の要求が不当であることを主張していきます。
そして、裁判所は、必要であると判断した場合には、鑑定という手続を行い、第三の不動産鑑定士に依頼して適正賃料の算出を行い、それに基づいて和解が可能かを検討し、和解ができない場合には、判決を下すことになります。

st068.jpgいずれにしても、賃料の減額を求められた場合には、合計で三回もの適正賃料の割り出しを行い、それぞれについて費用を負担しなければなりません。

賃料減額は、周辺の適正相場との乖離が大きい場合であっても、一気に賃料が減額されることはありません。
ですから、通常の事例では、少額の賃料差を巡って、両当事者が多額の費用と時間を費やして争うことになるのが賃料減額訴訟であると考えてよいと思います。
但し、月額にしては少額であっても、これが長期にわたると無視できない金額になるのは事実です。
また、賃料減額幅に納得のいかない賃借人は、2、3年もすると、再び賃料減額のための調停を行ってくることがありますので、再び多額の費用と労力を費やした紛争を行わなければならないということにもなりかねないのです。

これらのことを考えると賃料減額を求める訴訟提起を可能な限り回避しなければなりませんし、できることなら賃料減額の要求がおきないようにする対策が必要となるのです。

そもそも、なぜ、賃借人が賃料の減額を求めてくるかといいますと、それは、支払っているお金と、自分が提供されているものが釣り合っていないと考えるようになるからです。
その一つに、周辺の賃料相場というものが関係してくるのは事実です。
しかし、賃借人が賃料の減額を求めてくる理由は、周辺相場との乖離だけではありません。

例えば、建物は古いが清潔に保たれている、見栄えがよい、水道、ガス、電気などのライフライン関係のトラブルがほとんどないということであれば、賃借人は、少しくらい賃料が高くても不満に思うことがないかもしれません。
そのためには、あなた、あるいは管理業者の方が頻繁に手入れを行い、定期的に回収工事を行う必要があります。

また、賃貸借関係は、継続的な人間関係が継続する契約であり、トラブルを回避する上で賃貸人と賃借人との人間関係が非常に重要になります。
ですから、あなた自身、あるいは管理業者の方が頻繁に賃貸物件を訪問し、賃借人と良好な人間関係を形成しておくということがトラブル回避のためには非常に重要になってきます。

わたしたちが物件の管理を依頼される際にも、これらのことを非常に重視し、賃借人から不平・不満が生じないように心掛けています。
逆に、賃借人から不平・不満が生じた場合に放置すると、徐々に定められた賃料を支払うことがバカバカしくなり、賃料減額要求へと発展するため、そのような事態にいたらないように配慮するようにしています。

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