Q.勤務先に知られずに自己破産はできますか?
勤務先が債権者でなければ相手方とはならず、裁判所が連絡することもありません。また、官報に申立人の氏名・住所が記載されますが、一般の方が官報を見ることは通常ありませんので、特に官報をチェックするような勤務先でない限り、知られることはあまりありません。
勤務先から借金をしている場合、勤務先に自己破産を知られるリスクを避ける方法としては、勤務先に対する借金を親族や友人等の第三者が本人の代わりに全額支払って、勤務先からの借金をなくすという方法が考えられます。本人が他の債権者を差し置いて勤務先へ返済して破産するのは、偏頗弁済として免責が不許可になったり、場合によっては刑罰が科される可能性もありますので、注意してください。
Q.勤務先から借入をしていますが、勤務先も債権者として裁判所へ申告しなければいけませんか?
勤務先から借入をしている場合には、勤務先を債権者として裁判所へ申告する必要があります。一部の債権者を除外することは許されていません。
Q.勤務先に知られると退職しなければなりませんか?
勤務先は従業員が自己破産をしたことのみを理由に解雇することは原則としてできません。
従業員の解雇が許されるのは、解雇権の濫用に当たらないような相当の理由が認められる場合に限定されており、従業員が自己破産をしたことのみでは、通常、相当の理由に当たらないからです。
Q.自己破産をした場合、戸籍や住民票には自己破産の事実が記載されてしまいますか?
戸籍や住民票に自己破産の事実が記載されることはありません。
ただし、「官報」と本籍地の「破産者名簿」に自己破産の事実が記載されます。
もっとも、官報を読んでいる人はほとんどいませんし、破産者名簿を一般の人が勝手に見ることはできません。