事業承継支援
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遺留分の特例

遺留分の特例には、遺留分算定の基礎財産から除外する制度と贈与株式等の評価を予め固定できる制度があります。
なお、これらの制度は、現実に贈与や遺贈を受けている場合にのみ適用され、将来贈与や遺贈を受けることを見越して利用することはできません。

1. 遺留分算定の基礎財産から除外する制度

先代経営者から贈与などにより取得した自社株式や一定の財産について、遺留分算定の基礎財産から除外することを、事業の後継者と、先代経営者の遺留分を有する推定相続人全員との間で合意することによって、遺留分算定の基礎財産から除外してもらう制度です。贈与等された株式等は、遺留分算定の際の基礎財産に参入されず、遺留分減殺の対象とならないため、相続により株式等が分散されず後継者に株式等を集中することができるのです。
遺留分を有するのは、先代経営者の兄弟姉妹を除く全ての推定相続人ですので、兄弟姉妹を除く全ての推定相続人の同意が必要となり、これらの者の理解が前提となります。
また、遺留分の特例制度の適用を受けるためには、経済産業大臣の確認を得た上で、家庭裁判所の許可を受ける必要があります。本制度が、後継者となる推定相続人により遺留分を奪うための手段として悪用されないように、経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可を要件としたのです。

2. 贈与株式等の評価を予め固定できる制度

st127.jpg遺留分の算定に際して算入すべき生前贈与などによって取得した株式の価格について、事業の後継者と、先代経営者の遺留分を有する推定相続人全員との間で合意することによって、取得した株式の価格を合意時の評価額に固定する制度です。
後継者が先代代表者から贈与などにより取得した株式などの価格を合意時に固定することによって、後継者が株式などを譲り受けてから先代代表者の相続が開始するまでの間に、後継者の努力によって株式などの価値が大幅に増加したとしても、合意時の価格に固定されているため、後継者の努力により増加した価値は後継者が独占することができるのです。他方、後継者がいくら努力しても経営環境の変化により会社の業績が悪化し、先代から承継したときよりも株式などの価値が大幅に下落することも考えられます。このような場合には、株式などの評価額を合意時点で固定したために、相続が開始時における他の推定増続人の遺留分が逆に大きくなってしまうことになります。

この制度においても、遺留分を有する推定相続人の同意が必要ですので、先代経営者の兄弟姉妹を除く推定相続人全員の同意が必要になります。また、経済産業大臣によって合意内容などを確認してもらい、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

また、合意時の価額は、弁護士等の専門家が「その時における相当な価額として証明したもの」であることが必要になります。

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