取引開始時には問題がなかった取引先であっても、取引継続中に業績が悪化することが少なくありません。最近では,業績悪化のスピードが速いため、一定期間ごとに与信管理を行う必要があります。そして、取引継続中の与信管理で大切なことは、取引先の信用悪化の兆候を把握し、会社財産の変動を確認することが重要になります。
取引先の信用悪化の兆候として把握すべきものとして与信残高があり、以下の場合には注意が必要になります。
- 与信残高が増加傾向にある
- 長期滞留債権が増加傾向にある
- 回収率が低下傾向にある
また、取引先の経営状況が芳しくないと一般的に以下の経過をたどる傾向にあり、6.の状態にあると非常に危険な状態であると考えてよいと思います。
- 連絡頻度の低下,約定破棄,事務所移転通知なし
- 支払条件変更,請求書再発行の依頼,値引き要請
- 支払いの遅延,注文量の急激な変化
- 回収代行,新たな担保設定,訴訟事件の被告となっている
- 不合理な言い訳,支払約束の書面化への抵抗
- 金融機関債務についてリスケした支払計画の不履行
取引継続中の与信管理についても、取引を開始するにあたり確認する事項と基本的には同じであり、調査事項を定型化、調査対象事項についてポイント化し、取引先会社を点数で評価するというノウハウを自社で形成していくことが重要となります。
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