3分の1ルール
少数の者から株式の所有割合が3分の1を超える株式を取得する場合、いわゆる「3分の1ルール」とは、以下の買付けのことをいいます(金商品取引法27条の2第1項2号)。
- 取引所金融商品市場外における株券等の買付け等であること
- 著しく少数の者からの買付であること
- 買付け等の後における株券等の所有割合が3分の1を超えること
著しく少数の者から相対で取得する場合にも、株券等所有割合が3分の1を超えると、特別決議事項に関して拒否権を取得し一定の支配力を取得することになります。 そこで、著しく少数の者であっても株券等所有割合が3分の1を超える買付けについて公開買付けによらなければならないとされました。
特定売買等による3分の1ルール
特定売買等により株式の所有割合が3分の1を超える株式を取得する場合、いわゆる「特定売買等による3分の1ルール」とは、以下の買付けのことをいいます(金商品取引法27条の2第1項3号)。
- 特定売買によること
- 買付け等の後における株券等所有割合が3分の1を超えること
特定売買等とは、ToSTNeT(トストネット)取引のことです。 ToSTNeT取引とは,東京証券取引所の市場のうち立会市場以外の市場のことで、電子取引ネットワークシステムであるToSTNeT(Tokyo Stock exchange Trading Network system)を通じて行われる立会外取引のことでToSTNeT1から3までの3種類の取引があります。
ToSTNeTによる取引は市場取引所市場内取引ですが、ToSTNeTを利用して「3分の1ルール」を潜脱したライブドア事件を契機に、公開買付制度による規制が及ぶことになりました。
なお、「特定売買等による3分の1ルール」においては、「著しく少数の者」という要件が設けられていないため,取引の相手が10名以上の場合にも適用があるので注意が必要です。