知的財産
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輸入差止申立を行う要件

どのような手続を行う必要があるのか

函館税関、東京税関、横浜税関、名古屋税関、大阪税関、神戸税関、門司税関、長崎税関、沖縄地区税関の9つの税関

日本には、函館税関東京税関横浜税関名古屋税関大阪税関神戸税関門司税関長崎税関沖縄地区税関の9つの税関があります。

日本から輸出し、あるいは輸入される物は、9つのいずれかの税関を通過することになります。また、輸出入差止申立は、この9つの税関のいずれかに申立てることになります。

アジアを中心とした国々で製造された模倣品の大半は、海上貨物として日本に流入してきます。ですから、海外で製造される模倣品が国内で流通することを事前に防止することを促す手段として関税法の輸入差止制度は非常に有効な手段であると言えます。

輸入差止の認定は、裁判と比較して早期に輸入を認めるか否かの判断をしてくれますので非常に実効性の高い制度とも言えるでしょう。

権利者の申立が受理され、侵害の認定がなされますと、輸出品については没収・廃棄され、輸入品についても没収・廃棄・積戻しという処分がでます。また受理されると最長2年間有効ですので、その間、税関において知的財産侵害物品の発見に努めてもらえることとなります。また、上記の有効期間は更新することもできます

輸入差止申立は、輸入差止申立てをしようとする者の住所(法人である場合には、主たる事務所の所在地)を管轄する税関か、侵害物品の輸入が予想される税関を管轄する税関に申立てることができます。

ですから大阪に主たる事務所がある会社が門司港から輸入される物について輸入差止の申立をする場合門司税関で申立手続を行う必要はなく、大阪税関で申立を行えばよいのです。しかも、申立にあたって税関に納める手数料というものはありません。

輸入差止申立制度は、比較的短期間に実効性のある処分を得られる上に非常に使い勝手のよい制度として注目を浴びています。

輸入差止申立を行うには以下の要件を満たしていることが必要になります。

  1. 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、育成者権、不正競争差止 請求権を有する者であること
  2. 権利内容に根拠があること(不正競争防止法に違反する物品については経済産業大臣の意見書があること)
  3. 侵害の事実または侵害のおそれがあること
  4. 1. 〜3. の事実を税関で疎明でき、税関において識別できること

特許権、実用新案権、意匠権、商標権、育成者権については、登録手続がありますので、権利内容の根拠を疎明することは容易です。しかし、著作権についてはある著作物の著作権者であることの疎明が困難な場合がありますので自分の著作物については日頃から著作権者であることをどのように疎明するか考えておく必要があります。

また、不正競争防止法に違反する物品については経済産業大臣の意見書を得ておく必要があります。

この経済産業大臣の意見書を得るには次のものが必要になります。

  • 申請書(意見を求める事項、商品等表示、商品形態の内容、意見を求める事項等を記載)
  • 輸入差止申立手続で提出予定の証拠
  • 意見を求める理由を明らかにする資料
  • 申立人が個人の場合:戸籍謄本、住民票、印鑑証明書
  • 申立人が法人の場合:定款、登記事項証明書

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