我が国の経済は楽観できる状況ではなく、日々競争が激しくなっています。
また、社会環境の変化は非常に早く、数年単で社会環境が劇的に変化しているということも、私たち自身が身をもって体験しているところです。
このような経済や社会環境のもとで、ある時点で最適であると考えられた事業が、長期間にわたり継続性を持つということは非常に困難であると思われます。
しかし、特定の事業を展開する企業には、従業員やその家族、経営者やその家族、金融機関等の債権者、社債権者、取引先、株主、商品等の購入者等、多くの利害関係者がいます。
そして、企業は、これらの直接的あるいは間接的に利害関係を有する者と何らかの関係を有することで成立しています。
また、企業は、これら多くの利害関係者の利益を守る責務を負っており、それが企業に課された法的・社会的責任であると言えます。
このような企業が、自身の法的・社会的責任を果たし続けるためには、企業が継続性を備える必要があり、企業が継続性を備えるためには、経済状況や社会環境の変化に対応した事業を展開する必要があります。
企業の継続性を維持するためには、経営者個人の資質によるところも大きく、企業の規模が小さければ小さいほど、その傾向が強まるのは事実です。
しかし、経営者の資質のみでは、企業の継続性を維持することは不可能です。
経営者の資質が優れていたとしても、それを企業の末端に至るまで反映できなければ、その企業はある程度成長した段階で破たんすることになりかねません。
企業が継続性を維持するためには、経営者の資質を企業の末端に至るまで反映させるためのシステムが必要になるわけです。
そして、経営者の資質を企業の末端に至るまで反映させるためのツールがコーポレートガバナンスであると考えています。
コーポレートガバナンスといえば、一部の大手企業だけのものであり、中小企業には関係ないものであると考えられがちです。
コーポレートガバナンスが一部の大手企業にのみの問題であると考えられている理由は、一部の大手企業に対しては法的義務としてコーポレートガバナンスの導入が義務付けられているが、中小企業においては、コーポレートガバナンスの導入が法的に義務付けられていなからに過ぎません。
中小企業にとって法的義務を課されていないとの理由で、中小企業にとってコーポレートガバナンスが不要であるかというとそうではありません。
コーポレートガバナンスは、経営者の資質を企業の末端に至るまで反映させるためのシステムですので、中小企業であっても、経営者が組織末端まで全てを統制することが困難になった段階で、コーポレートガバナンスが必要になってくるのです。
スター綜合法律事務所では、企業がやむなく事業再生を行わざるを得なくなる、あるいは破産を含めた清算手続を行わざるを得なくなるという事態を回避するために、コーポレートガバナンスを重視しており、企業がコーポレートガバナンスを導入するお手伝いをさせて頂いています。