事例
テレビから出火した火災事故について、原告が当該テレビの製造会社らに損害賠償請求した事件
分析
製造物責任法施行前の事故であるため、同法の主張はしていないが、日常家電製品について、高度の安全性確保義務を認め、損害賠償責任を認めた。
判旨
「広く消費者の日常生活に供される商品の製造者は、消費者との間の契約関係の有無に関わりなく、商品を設計・製造し流通に置くに際して、消費者(その家庭を含む、以下同じ。)の通常の用法による使用によって商品に危険な性状が生じ、それにより消費者の身体、生命、財産に対し損害を与えることのないよう安全性を確保すべき高度の注意義務(安全性確保義務)を負い、製造者が、右義務に違反して安全性に欠ける商品を製造・流通に置き、これによって消費者が損害を被った場合には、製造者は当該消費者に対しその被った損害を賠償すべき不法行為責任(製造物責任)があると解するのが相当である。」(中略)「当該商品が通常有すべき安全性を欠いていた事実が立証された場合には、製造者において、欠陥の発生が製造者の安全性確保義務違反によるものではないことを反証」しない限り、責任を免れない。大阪地裁平成9年9月18日判決(判例タイムズ992号166頁)