委任契約
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復委任者の選任要件

委任者は,委任者の承諾を得た場合に加えて,やむを得ない事由がある場合に,復委任者の選任を行うことができるとされました(644条の2第1項)。

ここで「やむを得ない事由」とは,受任者が自ら委任事務を処理することができない事情の存在だけでは足りず,委任者の承諾を得ることができない事情が存在することが必要であると考えられています。

また,復委任者は,委任者に対して,復委任者が与えられた権限の範囲で,受任者と同一の権利・義務を負うことが規定されました(同条2項)。

報酬請求権

委任者の責任ではない事由によって委任事務の履行をすることができなくなった場合,又は委任が履行の中途で終了した場合,既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができます(648条3項)。

委任事務の終了された場合であっても委任事務を継続することが可能な場合があるため,委任事務の履行をすることができなくなった場合(委任事務の履行が不能な場合)が別途規定されています。

いずれの場合も,委任者だけでなく受任者の責任でない場合も648条3項によって割合的な報酬の請求を行うことができます。

また,いずれの場合も,受任者に責任がある場合が含まれており,受任者は,責任があったとしても割合に応じた報酬の請求を行うことができます。
ただし,この場合,委任者から,損害賠償請求を受けることがあります(415条)。

委任者の責任によって委任事務を継続することができなくなった場合には,委任者は,報酬の全額の支払いを拒むことができません(536条2項)。
ただし,受任者は,残った委任事務の履行を免れたことにより利益を受けた場合には,委任者に利益を償還しなければなりません(536条2項但書)。

委任において成果に対して報酬を支払う旨の合意がされた場合に関して新たな規定が設けられました(648条の2)。

委任事務の履行により得られる成果の引渡しを要するものである場合については,報酬は成果の引渡しと同時に支払わなければなりません(648条の2第1項)。
なお,成果の引渡しを要しないものであるときも,委任事務を履行した後でなければ報酬を請求することができず(648条2項),成果の達成を要するとされている場合には,成果が得られた後でなければ報酬を請求することはできません。

成果の引渡しを要する場合には,請負の報酬に関する規定が準用され,委任者の責めに帰することができない事由によって委任事務の履行ができなくなった場合,又は成果が得られる前に委任が解除された場合において,既に履行した委任事務の結果が可分でその部分によって委任者が利益を受けるときは,受任者は,その利益の割合に応じて報酬を請求することができます(648条の2第2項,634条)。

解除に基づく損害賠償

委任契約の当事者は,いつでも委任契約を解除することができるのですが,受任者が委任者に不利な時期に委任契約を解除した場合には,受任者が損害賠償義務を負うとされていました。

委任契約が受任者の利益にもなる場合(専ら報酬を得ることによるものを除く。)に委任者が委任契約を解除した場合には,委任者が損害賠償義務を負うとされました(651条2項2号)。

なお,委任契約の当事者による解除がやむを得ない場合には,他方当事者に対して損害賠償義務を負うことはありません(651条2項但書)。

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