弁護士視点で知財ニュース解説

ユニクロ 「UTme!」著作権不行使条項

ユニクロが提供している,スマフォを使用して自らデザインしたTシャツを作成することができる「UTme!」の利用規約に問題があるのではないかと話題になっています。

問題とされている条項は,「UTme!」の利用規約の第9条iiiとiVですが,該当条項では以下のとおり定められています。
iii ユーザーは、投稿データについて、その著作物に関する全ての権利(著作権法第27条及び第28条に定める権利を含みます)を、投稿その他送信時に、当社に対し、無償で譲渡します。
iV ユーザーは、当社及び当社から権利を承継しまたは許諾された者に対して著作者人格権を行使しないことに同意するものとします。

そもそも,著作権は,権利の束と呼ばれているように,著作物の各利用形態により権利が設定されています。

また,著作者には,財産的な権利である著作権とは別に,著作物を公表するか否かを決定することができる公表権(18条),著作物を利用する際に著作者の氏名を表示してもらう氏名表示権(19条),著作物の同一性を保持するための同一性保持権(20条)といった著作者人格権という権利もあります。

「UTme!」の利用規約は,ユーザーが行ったデザインが著作物に該当する場合に,本来著作者に帰属し,コントロールすることができる著作権という権利をユニクロに帰属させ,デザインを行った人に著作者人格権を行使させない内容となっています。

この結果,ユニクロは,優れたデザインが出てきた場合には,これを自社のデザインとして使用することができ,また,そのデザインをベースに新たなデザインを創作することができますし,この際,デザインした人の意思と関係なく公表したり,デザインした人の氏名を表示する必要もありません。

「UTme!」の利用規約は,事業者と個人の消費者との間で締結される契約であるため,消費者契約法の対象となります。
そして,消費者契約法10条では,消費者の権利を制限するものであって,その程度が信義則に反する程度に消費者の利益を一方的に害する条項は無効と定められています。

ユニクロが,営利ではなく利用例を示す目的でこの条項を設けているのであれば,条項において目的を限定するべきだと思います。
仮に,ユニクロが優れたデザインを営利の目的で利用することを想定しているのであれば,利用者と交渉する余地を設けていない当該条項は,消費者契約法により無効となる可能性が非常に高いと思います。

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