経済産業省は,平成27年6月24日,ルーマニア発明商標庁との間で,7月1日より特許審査ハイウェイ(PPH: Patent Prosecution Highway)を開始することに合意したと発表しました。
特許審査ハイウェイ(PPH)は,日本と各国特許庁間の取り決めにより,第1庁(先行出願庁)で,特許権を付与することが可能であると判断された発明を有する出願について,出願人による第2庁(後続出願庁)への申請により,後続出願庁での審査手続きを簡素化し,早期審査が受けられるようにするための枠組みです。
第2庁(後続出願庁)において簡易な審査手続による審査を受ける基本的な条件は,
第2庁出願が,第1庁出願に基づいてパリ条約上の優先権を主張しているなど,第1庁出願と特定の関係にある。
第1庁出願が,特許可能と判断された1又は複数の請求項を有する。
第2庁出願の全ての請求項が,第1庁出願の特許可能と判断された請求項のいずれかと十分に対応している。
第2庁において,審査が開始されていない(開始後も申請可能な庁もあります。)
これらの要件をみたす場合,多くの場合(多くの国では),
請求項対応表
請求項の写し,その翻訳文
第1庁のオフィスアクションの写し,その翻訳文
のうち,請求項対応表のみを提出するだけで申請が可能とっています。
最近,アフリカの国では初となるエジプトとの間でPPHが合意されましたが,今回のルーマニアが加わり,日本は33の国・地域とPPHの合意を行っています。
日本の企業による海外への特許出願件数が増加するなかで,海外における特許権取得の迅速化や審査負担の軽減に対する取り組みとして合意国がさらに増加することが望まれるところです。