山口大学では,平成25年度から知的財産教育を共通教育科目で全学部の一年生全員を対象に必須化しているそうです。
山口大学によると,従来は,知的財産教育は知的財産の専門家養成が主たる目的であったが,知財人材は社会に広く求められており,学生に知的財産の基礎知識を身につけさせ,知的財産を支える人材の裾野を広げる必要がある,との理念から知財科目の必須化を行っているそうです。
このような取り組みは,企業における知的財産の重要性が認識されてきている証拠だと考えられます。
昨今,企業において,知的財産は切り離すことのできない存在となっており,知的財産を有効に活用することが企業の業績の維持・向上のために不可欠となっているといっても過言ではありません。
逆に,知的財産に関する判断を誤れば,甚大な損害が生じる可能性もあり,場合によっては事業の継続が不可能となってしまう可能性もあります。
このように,知的財産は,企業経営において極めて重要なファクターとなっており,その重要性は今後も増加していくものと考えられます。その結果,知的財産は,専門的分野のひとつではなく,経営判断の前提として必要不可欠な情報となっており,知的財産に関する知識は,知財部の人だけでなく経営に携わる全ての人に要求される素養となっています。
知財の知識は,一朝一夕で身につくものではなく,少しでも早い段階から知財人材の育成を行っておく必要があります。