弁護士視点で知財ニュース解説

偽物「ふなっしー」が御用??

兵庫県高砂市で6月1日に開かれた「ご当地博」に,千葉県船橋市の非公認キャラクター「ふなっしー」の偽物が現れ,著作権法侵害の疑いで兵庫県警高砂署の職務質問を受けたそうです。
この「ご当地博」は,全国から「ゆるキャラ」を集めたイベントで,本物の「ふなっしー」は,登場する予定はなかたそうです。

最近,特定の地域に多く生息する動物や特産品を擬人化したキャラクターが「ゆるキャラ」という呼び方で人気をあつめていますが,そもそも,この「ゆるキャラ」が著作権法が保護する著作物といえるのでしょうか?

いわゆる動物を擬人化したキャラクターは以前より多数存在し,そのキャラクターを模倣したとして裁判になることがあります。

その一つに,東京高裁平成13年1月23日に判決が下された「カエル擬人化事件」があります。
この判決では,カエルを擬人化した図柄について問題となり,顔,目玉,胴体,手足によって構成されること,顔の輪郭を横長の楕円形という形状にすること,胴体を短くして短い手足をつけること,目玉が丸く顔の輪郭から飛び出していることはありふれた表現であるため,これらの点に創作性を認めることができず,これらの点が共通することをもってキャラクターの利用が認められなくなることはないと判示されています。

そして,上記裁判例においては,カエルを擬人化した図柄の細部を検討すると著作権侵害であると訴えられた図柄から問題となったカエルを擬人化した図柄を想起することはできないとして著作権侵害は認められないと判断されました。

また,東京地裁昭和62年7月17日に判決が下された「コーポレーションペンギン事件」においても,自然界にみられるペンギンとの対比で独自の創作部分を抽出し,当該創作部と被告人形の該当箇所との対比によって複製あるいは翻案にあたるか検討し,いずれにも該当しないと判断されています。

このように,裁判所は,動物など通常キャラクターの素材として使用されるをベースに通常であれば行われる程度のキャラクター化では著作権で保護される著作物とは認めず,あるいは,著作物と認めたとしても,その権利の範囲を非常に限定し酷似するような場合に著作権侵害に該当すると判断する傾向にあります。

また,著作権侵害というためには,偶然に似ているというだけでは足りず,もとの著作物に依拠,すなわち,もとの著作物を見た上でそれを模倣しているということが必要になります。
なお,この点については,「ふなっしー」は非常に有名で,マスコミなどにもたびたび取り上げられているため問題ありません。

私の個人的な感覚としては,「ふなっしー」のキャラクターは非常に個性的で,一般的な人が特定の動物などをベースとして制作するという範囲を脱しているため,著作権法により保護される著作物と認められ,権利の範囲も極端に制限されることもないと考えています。

また,量産される人形が著作権法により保護されるかという問題もあるのですが,おそらく,「ふなっしー」はお手製の一品ものと思われますので,その点も問題にならないと推測しています。

したがって,一般の方が,「ふなっしー」であると認識できる着ぐるみが登場していたのであれば著作権法違反になる可能性が高いと思います。
ただ,営利を目的とせず,「ふなっしー」の著作者に経済的損失や,著作者としての人格を損なわない程度のものについて,警察が対応するというのは過剰な対応のようにも思えます。

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