弁護士視点で知財ニュース解説

宇治茶老舗ロゴ 台湾の知的財産局が登録拒絶

平成25年7月に台湾において,抹茶パフェなどを販売する茶寮都路里(京都市東山区),宇治茶製造販売の老舗である丸久小山園(京都府宇治市)と中村藤吉本店(宇治市)のロゴマークが商標出願されていた問題で,同26年7月に台湾の経済部知的財産局が商標登録を拒絶していたとの報道がなされています。

日本の著名なキャラクターや会社のロゴなどが海外で商標登録され,法外な値段で買取りを求められる問題は,以前から注視されていました。

このような問題は,中国や台湾,独自の問題ではなく,日本においても,以前から,また近年においても問題になっています。

日本では,ミッキーマウスやポパイなどが著作権者に無断で商標登録がなされ,著作権者等からライセンスを受けて販売していた者に対して商標権侵害を理由に,販売差止めや損害賠償を求めた訴訟がいくつも存在します。
ただし,いずれの事件においても商標権者の権利行使は権利濫用であるとして差止めや損害賠償は認められませんでした。

また,ジャックスやジェイフォンの名称を無断でドメイン登録された事例では不正競争防止法の周知表示主体混同行為(2条1項1号)や著名表示の不正使用(2条1項2号)に該当する不正競争行為であるとして問題になったのは,平成10年代のことです。

先の商標の問題は商標法においても立法的手当てが行われており,「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって,不正の目的(不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。)をもって使用をするものについては商標登録が拒絶されます。

また,ドメインの不正取得についても不正競争行為(2条1項12号)に該当し,登録の抹消や損害賠償を求めることができるようになっています。

このような規制は,日本などの先進国に限られず,他の国々おいても設けられている規定であり,それでも日本の著名なキャラクターや会社のロゴが先回り登録される事例が,生じるのは運用の問題という他ありません。

今回の問題でも台湾の知的財産局が登録査定を行う前に3社から意見書が提出されてことで登録が拒絶されましたが,登録された後であれば,商標登録を無効にするのに多くの時間と労力が必要になった,あるいは無効にすることができないことも予測されたところでした。

今後も,同様の問題が近隣諸国で発生する可能性があり,常に出願状況を確認することも困難でしょうから,予防的に海外で出願手続を行っておくということも真剣に検討する必要があるのではないかと思います。

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