弁護士視点で知財ニュース解説

「ジャポニカ学習帳」商標登録

「ジャポニカ学習帳」を販売しているショウワノート株式会社は,平成26年8月5日,「ジャポニカ学習帳」が立体商標として登録されたと発表しました。

登録された立体商標は,ノート表面などに写真や文字が入れられる前の「枠」のみが図柄として表示されたノートの立体的形状です。

「ジャポニカ学習帳」は,1970年から製造・販売されており,長年使用し続けているノートのデザインが識別表示としての機能を有すると評価されたものと思われます。

そもそも,立体商標は,平成8年商標改正により日本にも導入された制度であり,簡単に説明すると,立体的形状,立体的形状と文字,図形,記号の全て,あるいはいずれかと結合した識別表示のことです。

立体商標の登録例としては,多くの人に馴染みのある「ヤクルトの容器」,「コーラーのボトル」があります。

これらの容器は,長年使用されてきたことにより,文字や色彩が付されていなくても容器の立体的形状を見れば,どこの会社が販売している飲料の容器であるか判別することができる,つまり識別機能を有しているということで登録が認められました。

他方,サントリーの角瓶については,特許庁で登録が認められず,特許庁の判断が不服であるとして東京高裁において争われましたが,東京高裁においても特許庁の判断が取消されることはありませんでした(東京高裁平成15年8月29日判決)。

東京高裁は,上記事件において,「商品又は商品の包装の形状は,本来,その商品等に期待される機能をより効果的に発揮させたり,その商品等から得られる美感をより優れたものにするなどの目的で選択されるものである。したがって,商品等の形状そのものからなる立体商標は,その形状に変更又は装飾が施されても,商品等の形状を記述するものであって,原則として,取引に際し必要適切な表示として特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当とせず,また,多くの場合自他商品識別力を欠くという記述的商標の特徴を具備するものであるから,商品等の用途,機能から予測し難いような特異な形態や特別な印象を与える装飾的形状等を備えている場合を除き,同号に掲げる「商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」として登録を受けることができない商標というべきである。」と判示され,サントリーの角瓶は,「商品等の用途,機能から予測し難いような特異な形態や特別な印象を与える装飾的形状等を備えている」とはいえないとして特許庁の判断が覆ることはありませんでした。

知財高裁においても,「商品又は商品の包装の形状は,本来,その商品等に期待される機能をより効果的に発揮させたり,その商品等から得られる美感をより優れたものにするなどの目的で選択されるものである。したがって,商品等の形状そのものからなる立体商標は,その形状に変更又は装飾が施されても,商品等の形状を記述するものであって,原則として,取引に際し必要適切な表示として特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当とせず,また,多くの場合自他商品識別力を欠くという記述的商標の特徴を具備する」との考え方は引き継がれていると言われていますが,登録が認められる場合については,東京高裁平成15年8月29日判決のような非常に限られた場合に限定するような考え方を採用していないと言われており,特許庁においても,以前より登録要件を緩和して考える傾向にあると言えます。

現在の特許庁の考え方を前提に,今後も著名な商品の形状が立体商標登録される例は増加するものと思われます。

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