弁護士視点で知財ニュース解説

嵐メンバーらのパブリシティー権訴訟確定

ジャニーズの「嵐」「KAT―TUN」のメンバーが,コンサート写真などを無断で書籍に掲載されたことが,パブリシティー権の侵害にあたるとして,アールズ出版に対し「コンプリートお宝フォトファイル」などの書籍の販売差止,在庫廃棄や損害賠償請求を求めていた事案で,最高裁は,平成26年8月11日,アールズ出版の上告を棄却し,アールズ出版に対する書籍の販売差止,在庫廃棄,約5400万円の損害賠償の判決が確定しました。

なお,一審である東京地裁が平成25年4月26日に上記のとおりの判決を下し,アールズ出版がそれを不服として控訴をしましたが,知財高裁は,平成25年10月16日に控訴棄却の判決を下しており,アールズ出版による上告に対して,最高裁が上告棄却の判決を下しました。

そもそも,パブリシティー権とは,固有の名声,社会的評価,知名度等を獲得した著名人の氏名,肖像等が有する顧客吸引力であると解されています。

このパブリシティー権は,最高裁平成24年2月2日判決においても著名人等に認められる権利であると判断されており,今回の一連の裁判においてもこの考え方が前提とされています。

但し,最高裁平成24年2月2日判決が下されるまで,どのような場合にパブリシティー権侵害と認められ,差止請求や損害賠償請求が認められるかについては明確な基準がありませんでしたが,上記最高裁判決では,「肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し,商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し,肖像等を商品等の広告として使用するなど,専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合」に認められると判時されました。

今回の事例においても,上記に列挙した「専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合」に該当するとして,差止め,損害賠償が認められています。

ちなみに,最高裁平成24年2月2日判決は,ピンクレディーにはパブリシティー権が認められるが,記事の内容(ピンク・レディーそのものの紹介ではない),本件写真の使用態様(写真の使用は約200頁の雑誌全体の3頁にすぎないうえ、白黒写真であって、大きさも縦2.8cm、横3.6cmないし縦8cm、横10cm程度のもの)などの事情に鑑み,専らピンクレディーの肖像の有する顧客吸引力の利用を目的とするものとはいえないとして,差止め,損害賠償請求は認められていません。

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