弁護士視点で知財ニュース解説

自炊代行サービス 知財高裁でも認められず

自炊とは,出版物である書籍や雑誌などを個人が自ら電子書籍化する作業を指します。

書籍をデータ化し,タブレットやスマートフォンなどで読むことができるようになると携帯に便利ですし,出先で複数の書籍を回し読みするのにも非常に便利です。

書籍を美しく電子データ化する場合には,書籍を分解して取り込む必要がありますが,この作業は実に面倒です。
そこで,このような面倒な作業を代わりに行ってくれる「自炊代行サービス」というものが現れてきました。

書籍を何らかのハードディスクに取込む行為は,著作物の複製に該当します。
そして,書籍の購入した方が自分で利用する目的でハードディスクに複製する行為は,いわゆる「私的複製」として著作権法でも認められる行為です。

しかし,第三者が他の者のためにこのような私的複製をハードディスクに複製する行為は,著作者の複製権を侵害する行為となり,現在の著作権法では違法な行為となり許されていません。

平成26年10月22日の知財高裁の判決においても,他人のために書籍をハードディスクに複製する行為が複製権侵害に当たることが,改めて確認されました。

書籍のデータ化で常に問題になるのが,さらなる複製が非常に容易になる,インターネットで流通する可能性があり,著作権侵害の危険が高まるという問題です。

しかし,技術的には,データ化した書籍の二次的複製を防止する措置やサーバーで送信可能な状態を防ぐ措置も可能ですし,書籍のデータ化による著作権侵害の防止についても,行政的な対応で,ある程度の事前抑制も可能です。

また,書籍のデータ化というのは社会的にもニーズがあります。

今回の判決を契機に,書籍のデータ化について社会的に議論を行い,データ化されたコンテンツの利用に関するルール作りが勧められることを期待しています。

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