弁護士視点で知財ニュース解説

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北海道 「TOKACHI」の商標出願に異議

北海道は,帯広市,十勝町村会,帯広物産協会,十勝農協連合会とともに,韓国人男性が韓国で,指定商品牛乳,乳加工食品,菓子類などと指定して,「TOKACHI」の商標出願に対して,異議申立てを行ったようです。

日本の産地名を海外で商標出願される例は多く,最近でも,中国で「紀州」という産地の商標出願が行われていたり,台湾で「宇治茶」などの商標出願が行われており,問題化しました。

海外において日本の産地名が商標出願されるということは,日本の商品とその産地がブランド化していることの証拠ですが,商標登録されていた結果,当該国で日本の商品を販売するにあたり差障りが生じることにもなりかねません。

中国,韓国を含めTRIPs協定を締結している関係で,それぞれの国にも「産地」のみからなる商標の登録は認められないことになっているはずです。

但し,当局の審査官が「紀州」,「宇治」,「TOKACHI」という地名に触れたときに,それらが日本の産地を示すものと認識することができるか,それぞれの国おいても「産地」としての知名度があるかということが問題になってきます。

この種の問題は,それぞれの産地の行政が,特にアジア各国の出願状況を管理し,出願が行われれば確実に異議申立てを行なっていくほかありません。

また,徹底した対応が,同様の出願を予防する効果があります。

ブランド維持の費用・労力と考えて頂いて,各産地の行政が同様の対応を行うことを期待するところです。

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