弁護士視点で知財ニュース解説

バンダイナムコ,パックマンなど人気ゲームの知的財産権開放

バンダイナムコエンターテインメント(旧バンダイナムコゲームス)は,平成27年3月31日,1980年代を中心に人気となった「パックマン」,「ギャラクシアン」,「ゼビウス」,「マッピー」,「ギャラガ」,「ドラゴンバスター」など17ゲームのキャラクターや音楽,システムなどの知的財産を国内他社に開放すると発表しました。

バンダイナムコエンターテインメントは,人気ゲームの知的財産権開放の理由を「二次創作などで,世界観を広げるような新しい事業展開に結びつけたい」とし,ゲームの知的財産権については公序良俗に反するもの以外は幅広く認めていく方針で,簡易的な企画審査だけでキャラクターなどを提供すると発表しています。
なお,申請の受付は,4月下旬ころの見込みです。

本来,ゲームの知的財産権使用については,ゲームの映像や音楽によって形成されたイメージを保護するために詳細な利用制限が設けられることになるのですが,今回の知的財産ポリシーは,異例と言ってよいと思います。

ところで,ゲームの知的在債権としては,ゲームを機能させるプログラムの著作物(特許権の対象になる場合もあります。)と視覚的効果の部分を捉えると映画の著作物,音楽の著作物などがあります。

ゲームが法律上では映画の著作物であるというと一般の方には違和感があるかもしれませんが,グーグルマップとコラボした「パックマン」の著作物性が問題となった事件で,裁判所は,「パックマン」のゲームを行っている一連の映像を映画の著作物と判断して以来,ゲームの一連の映像が映画の著作物であるとの判断を維持しています。

なお,映画の著作物には,他の著作物にはない「頒布権」という権利が認められています。この権利は,映画の著作物の複製物を頒布する権利のことをいいますが,本来の映画の配給制度前提にした権利です。

そして,著作権法では,著作物の譲渡権には権利の消尽といって第二譲渡には著作権が及ばないことが明記されているのですが,頒布権については消尽に関する規定がありません。

これが原因で社会的に大きな問題となったのが中古ゲームソフトの販売が著作権侵害にあたるのかという問題です。

著作権法の規定を形式的適用すれば,ゲームは映画の著作物であり,ゲームにも頒布権が認められるため中古ゲームソフトの販売は頒布権を侵害するということになります。ちなみに大阪地裁では,このような判断が行われました。

他方で,ゲームは映画の著作物には該当するが,頒布権は伝統的な映画にのみ認められる権利であるとしてゲームには頒布権が認められないという考え方もあり,東京高裁は,このような考え方を採用し,中古ゲームソフトの販売を認めました。

また,大阪高裁では,ゲームは映画の著作物であり頒布権も認められるが,たとえ頒布権であったとしても権利が消尽するという考え方を採用し,中古ゲームソフトの販売を認めました。

以上のように,裁判所では,中古ゲームソフトの販売につき,結論や考え方が,まちまちであった時期がありましたが,最高裁平成14年4月25日判決で,最高裁は大阪高裁と同様の考え方を採用し,中古ゲームソフトの販売は認められるということで決着しました。

上記した議論は,あくまでゲームソフトの再販の話しであり,ネット上に公開されているゲームを複製し,サーバーにアップするなどの行為は,映画の著作物の頒布権等を侵害することになりますので,注意してください。

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