弁護士視点で知財ニュース解説

番組等の二次利用 著作権法改正へ

cont_img_45.jpg過去に制作されたドラマなどの番組をアーカイブやインターネット配信するためには,著作権者や実演家などの権利者の事前の承諾がなければ行うことができません。

俳優や女優,歌手などの実演家については,「ワンチャンス」と呼ばれているように,出演する際に番組等の二次利用の承諾を行っているものですが,インターネットなど存在しなかった時代に制作された番組については,実演家からインターネット配信することの同意をとっていないため,インターネット配信するためには改めて実演家などの承諾を得る必要があります。

ところが,当時出演していた実演家と連絡をとることができなくなるということが少なからず存在し,そのような番組については二次利用を行うことができません。

放送局などの権利処理を代行する一般社団法人「映像コンテンツ権利処理機構」のホームページでは,NHKの大河ドラマの出演者の中で連絡をとることができない方の名前を公表し,承諾をとる努力を行っています。

現在の制度でも,実演家などと連絡をとることができない場合には,文化庁長官による「裁定制度」というものがあります。これは,ネットや広告などで権利者探しを行うなど「相当な努力」を行ったにもかかわらず権利者と接触することができない場合に,使用料に相当する補償金を事前に供託する方法により二次利用が認められます。

現在の裁定制度については放送局等から手続の負担が大きいとの不満が出ていました。

平成26年の補償金事前供託制度の利用件数は42件に留まっており,入学試験の過去問題集や学習参考書がその大半です。

そこで,国会図書館やNHKなど,倒産のおそれが少ない事業者を対象に,実演家などが名乗り出て権利を主張したときに補償金の支払いを行うという後払い制を導入する予定です。

法改正は,来年の通常国会において行う予定で,現在のところ民放は後払い制を採用することができる事業者には含まれていません。

過去の著作物の二次利用を積極的に推進するためには民放を含めた形で後払い制を導入する必要があると思います。

来年の通常国会までに更なる議論が期待されているところです。

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