弁護士視点で知財ニュース解説

著作権侵害サイト 強制遮断導入検討

cont_img_45.jpg政府は,インターネット上に氾濫する著作権侵害サイトへの接続を強制的に遮断する仕組みづくりについて検討していることを発表しました

発表によりますと,制度の大枠としては,著作権者の要望に応じ,NTTコミュニケーションズやジュピターテレコムといったインターネットの接続事業者が強制的に利用者の閲覧を遮断できる「ブロッキング」を予定しているようであり,詳細な内容については知的財産戦略本部に有識者会議を新設し,通信事業者や大学の専門家による検討を重ね,平成28年3月にも強制遮断する仕組みを決定する予定です。

「ブロッキング」については,児童ポルノ拡散の防止対策として既に採用されており,接続事業者などでつくる一般社団法人が,警察情報等に基づき問題サイトのリストを作成し,閲覧できないように対策を講じているところであり,著作権侵害サイトを対象とした「ブロッキング」についても技術的に困難なわけではありません。

現在のところ,著作権者がインターネット接続業者に対して著作権侵害サイトの存在を通知すると,接続業は,プロバイダー責任法に基づき,サイト運営者側に弁明の機会を与え,弁明の内容が不合理である,あるいは弁明そのものがない場合に閲覧不可能な状態におくという制度が存在します。

しかし,著作権侵害サイトは,海外のインターネット接続業者を利用しているものが多く,海外の接続業者に対する働きかけはほとんど効果がありません。

海外流通促進機構(CODA)が事務局を務める「マンガ・アニメ海賊版対策協議会」は,平成26年7月から,海賊版のマンガやアニメを提供する海外のサイト運営者に対して削除要請を集中的に行い,あるいはサイト運営者にライセンス契約の締結を求め合法化する試みを行ってきましたが,未だ著作権侵害サイトが氾濫しているのが現状です。

ブロッキングについては,電気通信事業法が禁止する通信事業者による通信検閲にあたる可能性があり,表現の自由が不当に制限されることがないように慎重に要件を定める必要があります。

他方,主に海外のインターネット接続業者を使用した著作権侵害サイトを抑止する有効な方法でもありますので,十分に議論を尽くした上で制度の導入が図られるべきであると考えています。

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