弁護士視点で知財ニュース解説

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店舗デザインの保護(2)

st275.jpg店舗デザインが裁判所で争われた事例では,「ユニクロ」だけではなく,「めしや食堂」の大阪地裁平成19年7月3日判決,「西松屋」の店舗デザインが問題となった大阪地裁平成22年12月16日判決がありますが,いずれの事件においても,一般論としては,店舗の外装,内部の構造,内装が,不正競争防止法の出所表示になり得ると判断しつつも,「西松屋」,「めしや食堂」のいずれの店舗デザインについても出所表示性が否定されました。

特に,「西松屋」の店舗については,商品である子供服の陳列方法に近いものであり,店舗のデザインというよりも,むしろ商品の販売方法に近い内容のものでした。 また,「めしや食堂」の店舗についても,物理的な店舗の特徴がいくつも挙げられる中で,注文されてから玉子焼きを焼くスタンドが設けられているという特定が行われ,物理的な店舗の特徴というよりも提供するサービスの内容により特定さている部分がありました。

以前には,サービスの方法が出所表示となるかという議論がありましたが,出所表示の名の下で特定のサービス方法が独占されるということがあってはならないという理由から,現在ではサービスの方法は,出所表示にならないという考え方が定着しているところです。

店舗デザインの特徴を示す際には,物理的な構造とサービスの方法と厳密に区別して行う必要があります。

裁判所では,店舗デザインが不正競争防止法の出所表示となる可能性があると認められるものの,現実の店舗で出所表示性が認められた事例がありませんでしたが,東京地裁平成28年12月19日の仮処分決定において,コメダ珈琲の店舗デザインの出所表示性が認められるに至りました。

コメダ珈琲が主張した店舗の特徴は以下のようなものでした。

外装

  1. 店舗正面を妻部とする黒色ストレート調の大切妻屋根,並びに,当該切妻屋根から直行する方向に伸びた黒色ストレート調の小切妻屋根及び/又は店舗正面側に当該切妻屋根と段違いに形成された黒色ストレート調の張出切妻屋根,という複数の黒色ストレート調の切妻屋根を有すること。
  2. 上記?の切妻屋根の下に,外壁塗装部がベージュ色に塗装された四方外周を囲む測壁面を備えており,当該測壁面には,内部に四角格子を備えた矩形黒色フレームの窓が複数配置され,相当範囲にわたって赤茶色系のレンガ調のタイル貼り装飾が施されていること。
  3. 上記?の切妻屋根の各屋根の下に,けらば及び軒先に破風板と鼻隠しを一体に巡らした化粧板(ライン飾り)を備えており,当該化粧板は地色を緑,青,橙及び茶の中から選択した1色の明色で塗装され,当該明色に塗装された化粧板には,白色で上下縁取線が配された中に「KOMEDA's Coffe」とのコメダ珈琲店の店舗名欧文表記が白抜き文字で繰り返し表示されるよう配されていること。 上記?の切妻屋根の全部又は一部について,棟直下の妻部中央にコメダ珈琲店の店舗ロゴが掲示されていること。
  4. 主として張出切妻屋根並びに小切妻屋根の妻部測壁面の全部又は一部に,その内部に四角格子を備えた矩形黒色フレーム枠の窓が配置された出窓レンガ壁部を有しており,当該出窓レンガ壁部の凸出した外壁綿部分は,屋根下から基礎上までの全面にわたって赤茶系レンガ調のタイル貼り装飾が施されており,出窓レンガ壁部に配置された窓の上方外壁面上には「珈琲所コメダ珈琲店」との店舗名を日本語で横書きに大書した横型店舗名看板があって,当該看板の店舗名標記は,白色系地に濃茶色の文字で描かれ,正面方向に立体的に凸出していて,四隅が四分円状に凹んだ赤色囲み線により囲まれていること。
  5. 測壁面及び出窓レンガ壁部には,内部に四角格子を備えた矩形黒色フレーム枠の窓が複数設置されており,その全部又は一部について,その上部に雨よけを設ける場合には,赤色の庇テントが外壁面上に固定されていること。

店内構造及び内装

  1. 店内壁面と天井が,白壁材,無垢調の木質材料及び赤茶色系のレンガ調パネルを用いて,ライト調の色合いで構成されていること。
  2. 客席空間の天井が,無垢調の木質材の化粧屋根裏を見せる吹き抜け構造となっており,梁,垂木,束,母屋,方杖等が露出しているか,白壁材を用いた白天井となっていること。
  3. 客席空間部の床には,無垢調の木質系フローリング材が用いられ,当該床面上に,同じく無垢調の木質材から成るパーティションを用いて仕切ることで形成された対面式ボックス席が複数配されていること。
  4. 上記?のパーティションは,無垢調の木質材の枠体に板目の杉材の羽目板を板張りして隣接する座席同士を間仕切るものであって,上部に縁飾りとして,少なくとも無垢調の木質材をアーチ型に湾曲させて湾曲内に飾り支柱を放射状に複数配した半円アーチ状の縁飾りと,無垢調の木質材を水平棒状に配した縁飾りの組合せを含むものであること。
  5. 各対面式ボックス席には,木製天板のテーブルを挟んで対向する位置に,座面と背面のクッションに濃紅色の起毛ストライプ生地が全面貼りされたボックス椅子が配されているほか,座面と背面のクッション又は背もたれにいずれも濃紅色の起毛ストライプ生地が貼られたベンチ椅子,四脚椅子等が配されていること。
  6. 客席空間部の窓には,その全部又は一部に,橙色のロールスクリーンが吊り下げられており,当該ロールスクリーンには「KOMEDA's Coffee」とのコメダ珈琲店の店舗名欧文表記が,斜め右上がり又は二段横長に記載されていること。

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