弁護士視点で知財ニュース解説

違法にアップロードされたコミックのダウンロードは違法なの?

intellectual_08.jpg私的使用を目的とした著作物の複製は違法ではありません。
しかし,違法にアップロードされたコンテンツを,違法にアップロードされていることを知りながらダウンロードしてPCなどに保存する行為(複製)は違法となり,保存されたコンテンツの消去や損害賠償を求められることになります。

そして,有償で提供されているコンテンツの場合には,2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金という刑事罰の対象にもなります。

ここで問題となるコンテンツは,「録音され,又は録画された著作物など」に限定されています。

著作権法では,「録音」とは「音を物に固定し,又はその固定物を増製することをいう。」と規定され,「録画」とは「影像を連続して物に固定し,又はその固定物を増製することをいう。」と規定されています。

著作権法の「録音」の定義は,一般的に使用している言葉の意味と同一ですので,対象が音楽であると誰でも理解することができます。
他方,「録画」については,一般的には,対象が静止画,動画の両方を含む意味として使用されていますが,著作権法では,「影像を連続して物に固定」と定義されていることから静止画を含みません。

cont_img_56.jpgですから,違法にアップロードされ音楽や動画を複製する行為が,損害賠償の対象になったり,刑罰の対象になるわけで,違法にアップロードされた静止画は損害賠償や刑事罰の対象にはなりません。

最近,違法にアップロードされたコミックを自由にダウンロードさせるサイトをみかけます。
このようなサイトを提供する行為は,著作権者の複製権,公衆送信権を侵害する行為ですので,コンテンツの消去や損害賠償を求められるとともに,10年以下の懲役,又は1,000万円以下の罰金,場合によっては両方の刑を科されることになります。

他方で,コミックの画像は静止画ですので,違法にアップロードされたコミックの画像をダウンロードする行為は損害賠償や刑事罰の対象になるわけではありません。

そもそも,違法アップロードコンテンツのダウンロードに対する規制は,違法なインターネット配信(違法配信サイトやファイル交換ソフトなど)からの音楽・映像のダウンロードが,正規ビジネスを圧迫する規模になっているという事情があって設けられた規定で,違法アップロードされたコミックというものは想定されていませんでした。
このような立法背景からも,現在の著作権法は,違法にアップロードされたコミックのダウンロードを規制の対象にしていないといえるのです。

しかし,違法にダウンロードされたコミックのダウンロードは無視することができない規模になってきていますので,早晩,規制の対象になるのではないかと考えています。

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