日本貿易振興機構(JETORO)は平成27年4月30日,海外での中小企業の模倣品・海賊版対策や,冒認出願等で訴えられた際の訴訟等の支援を行う事業を開始することを発表しました。
JETOROが支援する事業は,中小企業が海外で産業財産権に係る係争に巻き込まれ防衛を行う必要がある場合に,当該対策にかかった費用の2/3(上限額:500万円)をジェトロが負担するという「防衛型侵害対策支援事業」と,模倣品・海賊版の製造元や流通経路の特定,市場での販売状況等の現地調査をジェトロが手配するとともに,その調査および一部の権利行使にかかった経費の2/3(上限額:400万円)をJETOROが負担するという「模倣品対策支援事業」となります。
防衛型侵害対策支援事業の利用条件は,
- 中小企業基本法2条に基づく「中小企業」の定義で,「従業員基準」または「資本金基準」のいずれかを満たすこと
- 対象国において特許権,商標権(中国における商標権に関しては,公告中のものも対象),意匠権および実用新案権の産業財産権いずれかを取得していること
- 他の機関から同様の助成を受けていないこと
- 調査および権利行使後3年の間に何らかの進展があった場合は,JETOROに報告を行うこと
- JETOROと常に連絡の取れる担当者を置くこと
- 申請書類提出時,原則ジェトロ本部(東京)にて面談を行うことができること
模倣品対策支援事業の利用条件は,
以下のいずれかの係争に巻き込まれていること。
- 冒認出願等により係争対象国での産業財産権を現地企業に先取りされているための係争
- 係争対象国で無審査で取得できる産業財産権が,現地企業との間で並存しているため係争
- 係争対象国での産業財産権を保持しつつ事業は実施していない現地企業から権利行使されたための係争
以下のすべての条件を満たしていること。
- 中小企業基本法に基づく中小企業の要件を満たす法人であること
- 係争対象国で係争に関連する産業財産権を保持,もしくはその実施権を得ていること
- 係争対象国で警告状又は訴状等の係争が始まったことを示す証拠があること
- 他の機関から,同様の補助を受けていない
- 本事業終了後3年の間に係争に係る進展があった場合は,JETOROに対して報告を行うこと
- JETOROと常に連絡を取れる担当者が置ける
- 申請書類提出時,原則,申請者および弁護士等の代理人と,ジェトロ本部(東京)にて面談を行うことができること
中小企業が海外において特許権等が侵害されている場合の対応を行うこと,特許権等に関する訴訟に巻き込まれた場合に対応を行うことは,費用的にみて困難なことすくなりありません。
このような状況にある中小企業の方は,是非ともJETOROの支援事業を活用されるべきです。
当該事業の申込み期限は,平成27年10月30日午後5時となっています。
詳しくはこちら参照してください。