弁護士視点で知財ニュース解説
- 「金魚電話ボックス」撤去問題
金魚の養殖が盛んな奈良県大和郡山市が平成25年から設置していた「金魚電話ボックス」が撤去されることになったという報道がされました。 「金魚電話ボックス」は,設置された当初,発想の斬新さやおもしろさが話題になり,マスコミにも取り上げられていました。 ところが,「金魚電話ボックス」の - デザイン保護と商標法(1)
商品形態は,その商品が果たすべき機能を前提に,経済的要因,社会的要因,芸術的要因が相まって最終的な形態が決定づけられるものであって,商品の出所を表示するために形態が決定されるということは基本的にありません。 しかし,そのような商品形態であっても,長年市場に受け入れら,多くの方に使 - デザイン保護と著作権法
著作権法が保護する著作物には,絵画,彫刻,音楽など様々なものがあります。 これら代表的な著作物は,創作者が,表現の対象を選択し,自らが抱く美を表現するというところに特徴があります。 そして,このような代表的な著作物は,この世に一つしか存在しない,いわゆる一品ものとして著作権法によ - 店舗デザインの保護(3)
東京地裁平成28年12月19日決定においては, 「店舗の外観(店舗の外装,店内構造及び内装)は,通常それ自体は営業主体を識別させること(営業の出所の表示)を目的として選択されるものではないが,場合によっては営業主体の店舗イメージを具現することを一つの目的として選択されることがある - 店舗デザインの保護(2)
店舗デザインが裁判所で争われた事例では,「ユニクロ」だけではなく,「めしや食堂」の大阪地裁平成19年7月3日判決,「西松屋」の店舗デザインが問題となった大阪地裁平成22年12月16日判決がありますが,いずれの事件においても,一般論としては,店舗の外装,内部の構造,内装が,不正競争 - 店舗デザインの保護(1)
店舗の外装や店内の構造及び内装は,各社が工夫を凝らし,多店舗展開している会社では,統一的なコンセプトのもとデザインが行われているところです。 そして,統一したデザインの店舗を展開することで,店舗の外装や店内の雰囲気により,いずれの会社が経営している店舗であるかということが認識され - デザイン保護と不正競争防止法(2)
他人の商品形態を模倣した商品を販売すると不正競争行為にあたる場合があることは,「デザイン保護と不正競争防止法(1)」で説明したとおりです。 しかし,他人の商品形態模倣は,市場で販売されてから3年以内の商品でなければなりません。 そして,ここがネックになるのですが,どのような商品形 - デザイン保護と不正競争防止法(1)
不正競争防止法では,他人の商品の形態を模倣した商品を譲渡する等の行為が不正競争行為にあたるとされ,そのような行為は,差止め,損害賠償の対象となっています。 そして,「商品の形態」とは、需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状 - デザイン保護法制の欠陥
あらゆるモノがインターネットに接続されるIOT(Internet of Things)化が進むと,商品が独立した個々の存在としてではなく,「情報の収取→情報の蓄積→情報の解析→処理」によって生み出される新たな「価値創出サイクル」における情報収取の役割を担う端末としての側面が強くな