弁護士視点で知財ニュース解説

知財収支 4か月連続黒字

財務省による平成25年5月の国際収支速報によると,日本企業が海外企業から知的財産権の使用対価として収入が4810億円となり,過去最高額となったようです。
日本が海外から支払いを受けた金額から日本が海外に支払う金額を差引いた知的財産権に関する収支(知財収支)は,2754億円となり過去2番目の高水準のようです。

日本の知財収支が黒字で推移し,高い黒字水準を維持しているのは,主に,製造業の特許権ライセンス収入が増加していることによるようです。
日本の製造業による製造拠点の海外移転は進んでおり,このことが原因で物の取引に関する貿易収支は悪化することになりますが,日本企業が海外子会社から受取る特許権ライセンス料は増加することになります。

このことからも分かりますように,日本の製造業は,物を輸出して稼ぐ段階から,技術などを提供して稼ぐ段階に移行しつつあるといえます。

2002年,小泉内閣のもとで「知財立国日本」が宣言され,知的財産戦略本部が設けられ,以降,毎年知的財産推進計画が発表されています。
このような働きかけや企業の自助努力の成果が今日の知財収支の結果に表れているといます。
製造業の特許に関する知財収支は,今後も高い黒字水準で移行することが見込めるようです。

他方,著作権に関する知財収支は,今回も634億円の赤字であり,パソコンのソフトウエアを米国に依存していることが,著作権に関する知財収支が赤字となる原因となっております。
パソコンソフトの米国依存を近々に改善することは困難であると思われますが,世界で「クールジャパン」と称される日本のアニメーションやドラマの輸出量を現在以上に増加させて,著作権に関する知財収支を改善する必要があります。

そして,日本のコンテンツ輸出を盛んにするためには,海外の海賊版対策が不可欠となります。

海外の海賊版対策は,海外流通促進機構(CODA)が民間レベルで実施していますが,日本政府による各国への働きかけも不可欠です。

官民あげての海賊版対策により著作権に関する知財収支の改善が望まれるところです。

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