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【資金支援】国のベンチャー企業支援拡充

政府は、日本の成長戦略の柱としてベンチャー企業への支援の拡充を盛り込む方針であると発表しました。
以前より、ベンチャー企業が短期間で成長できる仕組みが日本には欠けていると言われてきましたが、日本の持続的な成長を実現するための方策としてベンチャー企業への支援が本格的に始まることになりました。

資金支援は、平成28年春から行われる予定で、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)を通じて500万円から最大で2,000万円の資金支援となる予定です。
また、資金支援時にIPAを通じて国が株式取得権を得て、株式の付与により支援金の返済に代える制度を導入し、ベンチャー企業が返済金を再投資に回すことができる仕組みも設けられる予定になっています。
そして、支援を受けた事業が失敗に終わった場合であっても国は返済を求めず、起業へのチャレンジ精神を損なわない配慮も行われています。

st303.jpg支援対象としては、IT分野で有望な技術や事業が予定されています。

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これにより個人の技術開発や起業が後押しされ、アメリカのように有望な学生が企業に就職することなく起業するという例が増えることが期待されています。

さらに、政府は、海外のベンチャーキャピタルと共同して、新興企業に対して必要となる事業資金の85%を補助する仕組みも設け、新興企業が短期間に成長できる仕組みも整えるようです。

現在、金融機関から融資を受けることができないベンチャー企業などは、クラウドファンディングという手法を利用して、比較的高い利息で借入れを行っていますが、株式付与型(返済を行わない)の制度を設けるともに、金融庁の運営業者に対する監督を強化するようです。
クラウドファンディングは、一般の方から資金を集めて有望な事業者に貸し出しを行うもので、預入金利が低いことも相俟って普及してきていますが、一定のリスクが伴うシステムであるという理解がないまま出資し、元金が返金されないことでトラブルになっているケースも散見されます。

ベンチャー企業支援は、官民一体となって行わなければ発展しません。そして、クラウドファンディングは、民間によるベンチャー企業支援として有用なシステムですので、金融庁による適切な指導・監督により発展することが望まれるところです。

弁護士 冨宅恵

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