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【スカイマーク】再建計画

国内航空3位で民事再生手続中のスカイマークに対する支援の枠組みが発表されました。

発表の内容によると、スカイマークは、100%減資を実施して現在の株主に株主責任を果たしてもらった上で、180億円の増資を行い、新たに出資された180億円全額を再生計画により減額された債務の返済に充てるという内容です。

スカイマークに対する出資は新たに設立する投資ファンドを介して行われ、投資ファンドにはインテグラルが50.1%、ANAが16.5%、日本政策投資銀行と三井住友銀が合計33.4%をそれぞれ出資する方向で最終調整が行われているようです。

当初、インテグラルが50.1%、ANAが19.9%出資する方向で調整されていましたが、ANAの出資割を削減し日本政策投資銀行と三井住友銀が33.4%することで、金融機関が重要な経営事項を決める際の拒否権を確保する形となりました。

skymark.jpgANAが出資比率を減少させた理由は、これまでAIRDO(エア・ドゥ)やスカイネットアジア航空に出資して経営再建を支援してきたが、スカイマークへの支援も含めると羽田空港国内線の発着枠でANA陣営のシェアが大幅に高まり、「競争環境が損なわれる」との批判が強まりかねないためであるとの指摘もあります。

スカイマークは、平成27年7月ごろに予定されている債権者集会において同意が得られれば、上記した再建計画を実施する予定であり、再生計画が認可されれば、負債が一掃されることになります。

また、日本政策投資銀行と三井住友銀行は、みずほ銀行等とも協力し、再生計画が認可された後に100億円規模のシンジケートローンの枠を設定することも発表しています。

再生計画案が承認されればスカイマークの井手隆司会長と有森正和社長は退任し、後任の会長はインテグラルが、社長はANAがそれぞれ指名することで合意していると発表されています。

ところで、通常の会社において減資を行う場合には株主総会の特別決議を経る必要があり、増資を行う場合においても株主総会の決議(第三者に有利発行する場合には特別決議)が必要になります。
しかし、民事再生手続において減資及び増資を行う場合には、株主総会の決議は必要なく、再生計画の中でこれを実施することができます。

再生計画に決定できる事項
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そして、民事再生手続においては、議決権を持つ債権者の頭数、債権額が過半数を超えた場合に再生計画が承認されたことになり、民事再生法に違反する等の特別の理由がない限り裁判所においても承認され、減資、増資を実行することができます。

民事再生手続の内容
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以上の再生計画が予定どおり実施されスカイマークの経営が軌道にのると再上場も視野に入ってくるのではないかと思います。

弁護士 冨宅恵

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