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【マイナンバー】預金口座にも適用

平成28年から住民票を有する全ての人に「マイナンバー」が割り振られることになっています。

最近、よく耳にする「マイナンバー」の導入目的ですが、「社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるも」と説明されており、その必要性については、「行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤を実現することを挙げています」。

そして、政府は、平成27年3月10日、預金口座にもマイナンバーを適用させるための法改正案法を閣議決定しました。
また、一部の報道によると、預金口座へのマイナンバー適用は平成30年になる予定で平成31年には義務化することも検討しているようです。

そもそも、マイナンバー導入は、「税分野で効率的に情報を管理」することを一つの目的としており、「公平かつ公正な社会を実現」することの導入の必要性として挙げられていました。

上記したことから理解される内容は、全ての人の所得を把握して確実に課税を行っていくという国のスタンスです。

mynumber.jpgそして、「マイナンバー」を預金口座に適用することの意味は、当然のことながら所得の把握ということも含まれていますが、相続によって取得した財産の把握も行うという国のスタンスを見てとることができます。

現在では、多額の預金などがある場合には、税務署の署員が調査権を行使して相続された預金の把握を行っていますが、税務署の署員の人数には限りがあり、自ずと調査の対象となる預金も限られたものになります。

この結果、預金を捕捉できずに相続税を徴収することができないということも少なからず存在します。

ところが、預金口座にマイナンバーを導入すると人的資源による預金把握の限界というものが無くなり、確実に把握することができます。
以前は、 5000万円+(1000万円×相続人の数)の金額を下回る財産については相続税が科せられることはなく相続税の納税者は5%未満でした。
ところが、平成27年1月1日に相続税法が改正され、相続税課税対象は3000万円+(600万円×相続人の人数)を超える財産が存在する場合に相続税が課せられることになり、課税対象となる方が大幅に増加します。
例えば、都市部で一戸建住宅を保有し、預金数百万円があるという事例でも相続税を負担しなければならない場合がありえます。

このような相続税法の改正と「マイナンバー」を預金口座に適用するという一連の流れは、国の財政が相続税に依存する割合を高めていくということを示しています。

日本に比較的近く経済が発展し、日本により税負担が軽い国への移住は、財産要件などの関係でハードルが高くなっていますが、それでも今回の報道を機に富裕層の国外脱出に拍車がかからないような対策も必要ではないかと考えています。

弁護士 冨宅恵

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