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有期契約労働者の無期転換について

「有期契約労働者の無期転換」という言葉を耳にされたことはあるでしょうか。

平成24年8月に労働契約法が改正され,有期契約労働者について,有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合,有期契約労働者(パートタイマー,アルバイト等などの名称に関係なく雇用期間の定めのある労働者)の申し込みにより,期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されることになりました。

昨今,有期社員の約3割が,通算5年を超えて有期労働契約を反復更新している実態があり,多くの会社にとって,有期社員が戦力として定着してきた状況がありました。

例えば,契約上は1年契約であっても,ほぼ毎年,「自動的に」更新を繰り返しているような,有期契約社員とはいえ,会社の事業運営に不可欠な恒常的な労働者が増えている実態がありました。

そこでこのような有期労働契約が通算5年を超えて反復更新された有期契約労働者について労働者からの申し込みにより労働契約を無期契約に転換できるようにしたのが,この「有期契約労働者の無期転換」という新しいルールになります。

有期契約期間の通算にあたっては間に6ヶ月未満の無契約期間が含まれる場合でも通算されるので,一旦契約満了となっていても,6ヶ月以内に再雇用した場合には注意が必要です。

有期契約の更新により,契約期間が通算で5年を超えた場合※,労働者は,その契約期間が満了するまでの間に転換の申し込みをすることで,有期契約期間満了の翌日より,無期契約に転換することになります。

申し込みは口頭でも良く,無期転換後の労働条件は,雇用契約期間以外は,従前の有期契約と同様になります。

もし有期契約満了までに転換申込をしない場合,申込権は喪失しますが,再度,有期契約を更新した場合は,改めて申込権が発生します。

労働者から転換の申し込みを受けた場合,会社はこれを拒否することはできません。

改正労働契約法が施行されたのが平成25年4月ですので,平成30年4月をもって5年を経過することになりました。このため対象である改正法施行後の有期労働契約について更新を重ねられてきた場合,この4月以降,本格的に無期転換が始まることになります。

もとより有期労働契約であっても,更新が継続した後の雇い止めについては,従来より裁判所により制限されており(東芝柳町工場事件・最一小判昭49.7.22・民集28-5-9277),こうした雇止め制限法理について,労働契約法19条により明文化されておりますので,今後は,従事する業務に応じて,有期契約とするのか無期契約とするのか,将来の人員見通しを立てて,合理的に制度設計していくことが求められると言えるでしょう。

※例 契約期間1年の場合,6年目,契約期間3年の場合,更新により通算6年の有期契約となるので4年目以降

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