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相続・遺言

厳格な遺言方式

遺言は、法律で厳格な方式が求められており、この方式をみたしていない遺言は無効となります。
折角、遺言書を作成したにもかかわらず、無効になってしまっては意味がありませんので、法律で定められた方式について理解しておく必要があります。そして、法律では3種類遺言書がさだめられており、それぞれの遺言書によって方式が異なります。

法律では、以下の3つの遺言書が定められています。

  1. 自筆証書遺言
  2. 秘密証書遺言
  3. 公正証書遺言

自筆証書遺言

st035.jpg自筆証書遺言は、遺言書の全文、日付および氏名のすべて自署し、押印しなければなりません。わたしたちが経験した非常に残念な事例では、ご自身が作成された遺言書で署名のみが自筆であり、そのほかの部分が全てタイプライターで作成されていたものがありました。このような遺言書は無効となってしまいますので、注意が必要です。

なお、自筆で作成された遺言書が封筒に入れられ開けることができない状態で保管されている例が多いですが、法律では封がされていることは要件ではありません。なお、封がされた遺言書が存在する場合には、裁判所の検認手続を経る必要がありますので注意してください。開封しても遺言書が無効になるということはありませんが、開封した方は過料の制裁を受ける可能性があります。

自筆証書遺言のメリットは、ご本人一人で作成することができますので、簡単に作成することができますし、費用もかかりません。また、遺言書を作成したことを相続人にたちに知られることもありません。

しかし、一人で作成することから法律に定める要件をみたしているかという心配があります。また、誰も遺言書の存在に気付かない、あるいは特定の相続人が捨ててしまうという理由で、遺言書が確実に実行されない恐れがあります。

例えば、貸金庫に遺言書を保管した場合、銀行もあなたが亡くなったことを認識している場合には一人の相続人が勝手に貸金を開けるということはできませんが、相続人の一人が貸金を開ける権限が与えられており、銀行があなたが亡くなったことを認識していない場合には、相続人の一人が貸金庫を勝手に開けて、遺言書の中身を確認して破棄することも可能です。

また、仏壇に保管されるという方もおられますが、遺言書自体が発見されない可能性がありますし、一人の相続人によって破棄される可能性が高いと考えておいた方がよいでしょう。

さらに、相続人の一人から強制的に遺言書を作成させられたり、訂正させられる、相続人の一人が筆跡を真似て遺言書を偽造するという可能性もあります。このような可能性が存在するため、ご本人が作成した遺言書であっても、本当に本人の意思に基づいて作成されたものか、そもそも本人が作成したものかということが問題になるのです。

なお、このようなデメリットは、弁護士立会いのもとで作成し、弁護士に遺言書の保管を依頼すればある程度の解消することができますが、それでも完全とはいえません。

秘密証書遺言

st059.jpgこの遺言書は、遺言書を作成した上で署名・押印し、遺言書を封筒に入れて遺言書に押印した印と同じ印で封筒を封印し、証人二名に立ち会いを求め、公証人に対して、自らの遺言書であること、第三者に遺言書を作成してもらったときにはその者の氏名と住所を申述し、公証人よって、封筒に遺言者の申述の内容と日付を記載してもらい、最後に、公証人、遺言者、証人が証明押印する方法で作成します。単に、遺言書に封を行ったものが秘密証書遺言ではなく、証人二人、公証人による関与が必要になります。

秘密証書遺言は、自署する必要がなくワープロなど作成したものや、第三者に作成してもらったものでもかまいません。ですから、言葉を発することができず、長い文書を作成することができなくなった方であっても、財産と相続人を記載した紙などを用意し、指をさしてもらって代わりの人が遺言書を作成し、封筒の表に自身の遺言書であることを自署すれば遺言書を作成することができます。
秘密証書遺言は、相続人に内容を隠しておくことができるため、偽造されたり、強制的に遺言書を作成させられるおそれが減少します。
しかし、公証人役場に遺言書が保管されるわけではありませんので、自ら保管しておく必要があり、隠匿や破棄されてしまう可能性が残ります。

公正証書遺言

この遺言書は、証人二人が立ち会って、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口頭で述べ、それを公証人が公正証書として作成します。
証人二人が立ち会って、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口頭で述べる、公証人がその口述を筆記して、これを遺言者および証人に読みきかせ、または閲覧させる、遺言者および証人が、公証人の筆記が正確であることを承認して各人がこれに署名押印する、公証人がその遺言が以上の手続を経て作成されたものであることを付記して署名・押印することになります。

現実には、依頼を受けた弁護士が遺言書の原案を作成しておき、公証人と事前に打ち合わせをして公証人に事前に公正証書遺言を作成してもらっておき、公証人が遺言書を読み上げ、本人が内容を確認した上で、本人、証人二人が署名、押印し、最後に公証人が署名、押印するという方法で作成されています。

公正証書遺言は、原本が公証人役場に保管されるので隠匿、破棄、偽造、変造が不可能であるという点が最大のメリットです。

公証人が作成しますので、遺言の趣旨が不明、方式の不備ということがありませんし、弁護士が関与して、弁護士と公証人が何度も確認して作成した場合には、さらに確度が増します。また、弁護士に遺言執行者になってもらっておけば、遺言を確実に実行することもできます。

デメリットとしては、証人を2名立てることから遺言の内容が外部に漏れ出る可能性があること、費用を要することがあげられます。但し、証人を弁護士にすると、弁護士は守秘義務を負っているため相続人に内容が明らかになることを防止することができます。

証人には誰がなる?

では、秘密証書遺言や公正証書遺言を作成する際の証人というのは誰にでもなってもらうことができるのでしょうか?

秘密証書遺言と公正証書遺言については二人の証人が必要になりますが、将来相続を受けられる方や遺言によって遺贈を受ける方、その配偶者、直系血族は証人にはなれませんので、全くの第三者に証人になってもらう必要があります。しかし、証人になってもらうに適した全くの第三者を選任することは容易なことではありません。ですから、証人については守秘義務を負う弁護士に依頼するのがよいと思いますし、証人になってもらうのであれば、遺言書の作成にも弁護士に関与してもらった方がよいと考えています。

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