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空き家対策

空き家の法的リスク

所有者の無過失責任

建物の所有は、建物が倒壊、一部損傷したことにより第三者に損害を与えた場合には損害賠償義務を負うことになります。

この建物所有者の損害賠償義務は、所有者に過失が認められなくても負担しなければならない責任であり、建物を放置し、建物の朽廃により発生した損害について逃れることはできません。
収益物件をお持ちの方であればご存じだと思いますが、火災保険に加入すると、建物から発生した第三者の損害賠償についても保険でカバーされているのが一般的です。火災保険に第三者に対する賠償が付帯されている理由は、建物の所有者は、所有者であるという理由だけで当該建物から発生した第三者の損害を賠償するという重い責任を負っているからです。

st309.jpg東北・関東大震災のような大きな地震で建物が倒壊した場合には、建物の瑕疵によって第三者が損害を被ったと評価されませんが、比較的軽度な地震で周囲のほとんどの建物に損傷が生じていないにもかかわらず、瓦がずれ落ちて通行されている方にけがを負わせた、建物に取り付けられたベランダや物干し台が落下して近隣の方にけがを負わせたという場合には、所有者として損害賠償義務を負担することになります。

第三者にけがを負わせた場合の損害賠償

第三者にけがを負わせた場合、治療費・入院費、整骨院等の施術費について負担しなければならなくなります。
一般的な傷病の場合には健康保険を使用しますので、治療費は3割あるいは1割の負担ですみますが、第三者から危害を加えられた場合には、治療を受ける方が届出を行わない限り健康保険を使用した治療を行うことができません。この結果、健康保険を使用した場合よりも治療費そのものが増大する上に、治療費の全額を負担しなければなりません。
これだけでも大変な負担となりますが賠償しなければならない対象はこれだけではありません。
入院をした場合には1日あたり1,500円程度の入院雑費、入院の場合1日あたり6,000円、通院の場合1日あたり3,000円程度の付添看護費用、将来にわたって付添看護が必要な場合にはそれも加わり、通院や入院で休業を余儀なくされた場合には休業損害も賠償、入通院されたことの慰謝料が対象となります。

さらに、けがをされた方に後遺症が残るようなことになりますと、後遺症の程度に応じた将来得られたであろう利益(逸失利益)の賠償、後遺症を抱えたことに対する慰謝料も加わります。

第三者にけがを負わせた場合の損害賠償は、交通事故や労働災害の場合と同様に考えることなり、自動車を運転する者や使用者が保険に加入する理由は、第三者に危害を加えた場合には多額の賠償義務を負わせるからです。

このように考えると、空き家を放置することの法的リスクの高さを理解頂けるのではないかと思います。

近隣の方からの請求

st308.jpg物を支配する権利である所有権には、物の支配を全うするために第三者からの侵害や侵害のおそれを排除するための権利が認められています。これを妨害排除請求権、妨害予防請求権といいます。

例えば、隣家の空き家が倒壊して自身の家が損傷した場合には倒壊した空き家を排除することを求めることができ、空き家が倒壊するまでにいたっていないものの倒壊して自身の家が損傷する可能性がある場合には倒壊を防止する措置をとるように求めることができます。

空き家の所有者が隣家の方の請求に応じない場合には裁判ということになり、判決が下されても放置した場合には代替執行という形で隣家の方が所有者に代わって空き家の撤去や空き家が倒壊することを防止する工事を行うことになります。
隣家の方が、このような工事を行った場合、当然に費用を負担するのは空き家の所有者であり、費用が割高であるというような文句をいうことは一切できません。

空き家を放置することでこのようなリスクを負担する可能性があることも十分に認識しておかなければなりません。

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