空き家対策
空き家対策

空家対策措置法

行政による空き家への対応は、複数の法律に基づき行うことができます。

空き家が建築当時の建築基準法に違反した建物である場合には、同法に基づく除却等の措置命令により建物を解体することができます。

st321.jpgまた、特殊な例ではありますが、火災予防上危険である建物については、消防法に基づく除却等の措置命令により建物を解体することができます。

さらに、空き家の内外に大量のゴミが放置され生活環境の保全上の支障が生じている場合には、廃棄物処理法に基づく支障の除去の措置命令により大量のゴミを撤去することができます。

さらに、平成26年11月には、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家対策特措法)が制定、平成27年2月26日に施行され、空き家の除去だけでなく修繕なども命じることができるようになりました。なお、同法の施行を受け、既に400を超える自治体で条例の整備も完了しています。

空家対策措置法による命令を発するためには、空き家が「特定空家等」であると認定されなければなりません。この「特定空家」とは以下の状態にある建物を指します。

  • そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

そして、ガイドラインにおいては以下のとおり定められています。

そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
部材の破損や基礎の不動沈下などによる建築物の著しい傾斜、基礎と土台の破損・変形・腐朽など建築物の構造耐力上主要な部分の損傷、屋根や外壁などの脱落・飛散のおそれ、擁壁の老朽化など。
そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
建築物が破損し石綿が飛散する可能性、浄化槽の破損による臭気の発生、ごみの放置・不法投棄による臭気の発生やネズミ、ハエ、蚊の発生など
適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態景観を損なっている状態
景観法にもとづき策定した景観計画や都市計画に著しく適合しない状態になっている、屋根や外壁が外見上大きく傷んだり汚れたまま放置されている、多数の窓ガラスが割れたまま放置されている状態など

st305.jpg以上のように、空き家が「特定空家」と認められるかどうかは、

  1. 空き家の状態
  2. 周辺への影響の程度

の両面から判断されることになります。

空家対策特措法は、建築基準法、消防法、廃棄物処理法より積極的に空き家の放置による問題を取り除くことができるようになりました。

「特定空家」と認定し排除するということは、一面では私人の財産権に対する侵害ともなります。ですから、「特定空家」の認定は慎重に行わなければなりません。そして、ガイドラインでは、「特定空家」は将来の蓋然性を含む概念であり、必ずしも定量的な基準により一律に判断することはなじまないとされています。

「特定空家」であるか否かの認定は、市町村長、地域住民、市町村の議会の議員、法務、不動産、建築、福祉、文化等に関する学識経験者、その他の市町村長が必要と認める者をもって構成する協議会において学識経験者等の意見も聞くなどして、総合的に判断されるべきものとされています。

また、行政は、空家対策特措法に基づき空き家への立入調査を行うことができ、その程度に応じて撤去、修繕命令を行うことができ、所有者が命令に従わない場合には行政代執行により強制的に撤去、修繕を行うことができます。なお、いきなり命令が草出されるのではなく、助言または指導、勧告という段階を経ます。

行政代執行が行われた場合の費用は、行政が負担してくれるわけではなく、最終的に義務者に費用の支払いを求めてくることになります。そして、義務者が費用の支払いを行わない場合で、代執行の対象となった空き家や土地に換価性が認められる場合には、差押え、競売により費用を回収することにもなります。

空き家を所有されている方は、空家対策特措法が定める「特定空家」と認定されないように、空き家を積極的に利用し、あるいは管理・維持していかなければならないのです。

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