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B型肝炎

B型肝炎ウイルス感染検査

B型肝炎ウイルス持続感染者であっても肝機能検査が正常の場合があります。B型肝炎ウイルス持続感染者(HBV キャリア)で肝機能異常(慢性の炎症)がみつかった人でも、直ちに本格的な治療を必要とするほど進んだものではない場合もありますが、ある程度進んだ慢性肝炎を放置すると、肝硬変や肝がんに進展することもあるので注意が必要です。

B型肝炎ウイルス(HBV)に感染しているかどうかを確認するためには、肝機能の検査ではなく、血液検査が必要になります。血液検査ではHBs抗原が検出されるどうかを検査します。検査でHBs抗原が検出された場合、その人の肝臓の中でB型肝炎ウイルス(HBV)が増殖し、血液の中にB型肝炎ウイルス(HBV)が存在するということを意味します。現在では、B型肝炎ウイルス(HBV)の遺伝子の一部を増幅して検出する核酸増幅検査(Nucleic acid Amplification Test: NAT)が実用化されており、血液中のB型肝炎ウイルス(HBV)の量を測定することもできます。

血液検査によって測定するのは「抗原」と「抗体」です。

st060.jpgB型肝炎ウイルスが体内に侵入したとき、体内では異物を攻撃する物質がつくられます。B型肝炎ウイルスのことを抗原といい、体内でつくられるウイルスを攻撃する物資のことを抗体といいます。B型肝炎ウイルスの抗原、それに対して体内でつくられる抗体の量を測定することでB型肝炎の状態を把握することができるのです。

B型肝炎ウイルスには、HBs抗原、HBc抗原、HBe抗原の3つがあります。
他方、体内でつくられる抗体には、抗原に対応してHBs抗体、HBc抗体、HBe抗体があります。

B型肝炎ウイルスの抗原

B型肝炎ウイルス(HBV)は、直径42nm(ナノメーター:1nmは1mの10億分の1) の球形をしたDNA型ウイルスです。ウイルス粒子は、直径約27nmのコア粒子と、これを被う外殻からなりたつ二重構造となっています。B型肝炎ウイルス(HBV)粒子の外殻を構成するタンパクがHBs抗原タンパクであり、コア粒子の表面を構成するタンパクがHBc抗原タンパクです。

B型肝炎ウイルス(HBV)に感染し肝細胞の中でウイルスが増殖する際には、B型肝炎ウイルス(HBV)の外殻を構成するタンパク(HBs抗原)が過剰に作られ、ウイルス粒子とは別個に直径22nmの小型球形粒子あるいは桿状粒子として血液中に流出します。
一般にB型肝炎ウイルス(HBV)に感染している人の血液中には、B型肝炎ウイルス(HBV)粒子1個に対して小型球形粒子は500倍から1,000倍、桿状粒子は50倍から100倍存在します。

他方、HBc抗原は、外殻(エンベロープ)に包まれて、B型肝炎ウイルス(HBV)粒子の内部に存在することから、そのままでは検出されません。また、B型肝炎ウイルス(HBV)の芯(コア粒子)の一部を構成するタンパクとしてHBe抗原があります。これは可溶性の(粒子を形成しない)タンパクとしても血中に存在することが知られています。一般に検査室で検出されるHBe抗原は、感染した肝細胞の中でB型肝炎ウイルス(HBV)が増殖する際に過剰に作られ、B型肝炎ウイルス(HBV)粒子の芯(コア粒子)を構成するタンパクとは別個に血液中に流れ出した可溶性のタンパクであることが分かっています。このことから、血液中のHBe抗原が陽性ということは、その人の肝臓の中でB型肝炎ウイルス(HBV)が盛んに増殖していることを意味しています。

HBe抗原が陽性のB型肝炎ウイルス持続感染者(HBVキャリア)の血液の中には、B型肝炎ウイルス(HBV)の量が多く、感染性が高いことを意味します。但し、B型肝炎ウイルス(HBV)の一過性感染者でも、ウイルスの増殖が盛んな感染のごく初期には、一時的にHBe抗原が陽性となります。

B型肝炎ウイルスの抗体

HBs抗体は、B型肝炎ウイルス(HBV)粒子の外殻、小型球形粒子、桿状粒子(HBs抗原)に対する抗体です。

一般に、HBs抗体はB型肝炎ウイルス(HBV)の感染を防御する働き(中和抗体としての働き)を持っています。一過性にB型肝炎ウイルス(HBV)に感染した場合、HBs抗体は、HBs抗原が血液の中から消えた後に遅れて血中に出現します。

HBc抗体は、B型肝炎ウイルス(HBV)のコア抗原(HBc抗原)に対する抗体です

HBc抗体にはB型肝炎ウイルス(HBV)の感染を防御する働き(中和抗体としての働き)はありません。
B型肝炎ウイルス(HBV)に一過性に感染すると、HBc抗体は、HBs抗原が血液中から消える前の早い段階から出現します。まずIgM型のHBc抗体が出現し、これは数か月で消えます。IgG型のHBc抗体は、IgM型のHBc抗体に少し遅れて出現します。このようにして作られたHBc抗体は、ほぼ生涯にわたって血中に持続して検出されます。なお、血液中にHBs抗原が検出されない場合(HBs抗原陰性)でも、HBc抗体陽性の人では、肝臓の中にごく微量のB型肝炎ウイルス(HBV)が存在し続けており、血液中にも、核酸増幅検査(NAT)によりごく微量のB型肝炎ウイルス(HBV)が検出される場合があることが分かってきました。

HBe抗体はHBe抗原に対する抗体です。

HBe抗体にはB型肝炎ウイルス(HBV)の感染を防御する働き(中和抗体としての働き)はありません。
B型肝炎ウイルス(HBV)に一過性に感染した場合、HBs抗原が血液中から消える前の早い時期からHBe抗原は検出されなくなり、代ってHBe抗体が検出されるようになります。
B型肝炎ウイルス持続感染者(HBVキャリア)では、肝臓に持続感染しているB型肝炎ウイルス(HBV)の遺伝子の一部に変異が起こると、肝細胞の中でのHBe抗原タンパクの過剰生産と血液中への放出が止まることが分かってきました。

このような変化が起こると、HBe抗原に代ってHBe抗体が検出されるようになります。HBe抗体が陽性になると、一般に、B型肝炎ウイルス(HBV)の増殖も穏やかになり、血液中のB型肝炎ウイルス(HBV)粒子の量が少なくなることから、感染力も低くなることが分かっています。
B型肝炎ウイルス持続感染者(HBVキャリア)は、小児期にはHBe抗原陽性ですが、多くの人では10歳代から30歳代にかけてHBe抗原陽性の状態からHBe抗体陽性の状態へ変化し、これを契機に、ほとんどの人では肝炎の活動も沈静化することが分かっています。

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