成年後見人の申立ては,家庭裁判所に対して書面を提出して行うことになります。
なお,提出する家庭裁判所は,本人の住居を管轄する家庭裁判所になります。
以下に示したものは,家庭裁判所に備え付けられた申立書の書式です。裁判所のホームページからダウンロードして入手することができます。なお,成年後見人等の申立てにおいて,必ずこの書式を使用しなければならないというわけではありませんが,この書式を使用すると必要事項の漏れを防ぐことができます。
なお,成年後見人は,本人との関係で包括的な代理権が付与されますので,代理権の対象とする行為を特定する必要はありません。
■ 家事審判申立書
- 「家事審判申立書 事件名( )」の括弧内には,「成年後見開始」と記載してください。
- 「貼用収入印紙」の額は800円となります。
- 「予納収入印紙」の額は2,600円となります(これは,後見登記手数料となります。)。
- 予納郵便切手は,家庭裁判所によって異なりますので,書面を提出する家庭裁判所に確認して記載する必要があります。
- 「 家庭裁判所御中」と記載された欄には,本人の住所地を管轄する家庭裁判所名を記載し,実際に申し立てを行う日を記載してください。
- 「申立人の記名押印」と記載された欄には,本人が申し立てを行う場合には本人名,代理人が行う場合には代理人名を記載します。
- 「添付書類」欄には,申立書に添付する書類を記載することになりますが,概ね以下のものとが必要になります。
- 本人の戸籍謄本
- 本人の住民票又は戸籍附票
- 後見人候補者の住民票又は戸籍附票
- 本人の診断書(家庭裁判所が定める様式のもの)
- 本人の「登記されていないことの証明書」
- 本人の財産に関する資料等
不動産登記事項証明書,預貯金通帳の写し等
- 「申立人」と記載された欄には,申立人に関して定められた事項を記載し,「※ 」の欄には本人に関して定められた事項を記載することになります。
- 「申立ての趣旨」と記載された欄には,「本人について後見を開始するとの審判を求める。」と記載します。
- 「申立ての理由」と記載された欄には,「申立人と本人との関係」,「本人の判断能力」,「申立てに至った事情」,「成年後見人候補者」など必要な項目を記載することになります。
- 「申立ての理由」と記載された欄に対する記載は,成年後見人を付することが相当か否か,成年後見人の候補者として適切であるか否かの判断の基礎となる事実等を記載する重要な欄ですので,専門家に相談する,あるいは専門家に作成を依頼することをお勧めします。